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交通システム工学科1年 |
1. 路線概要 総武本線(千葉〜銚子)は路線総距離81.3kmのJR東日本千葉支社管轄の路線である。千葉〜佐倉が複線で途中佐倉〜銚子は単線である。「各駅停車」「快速」「通勤快速」「特別急行」の種別があり、一部東京方面へ直通する列車が存在する。 2. 使用車両 1) 209系2000・2100番台(幕張車両センター所属) 2009年10月から運用開始。総武本線では4両、6両、8両で運用されている。ドアエンジンに空気式ドアが混在している編成は2000番台として区別している。 写真1 209系2100番台(下総神崎〜大戸) 2) E217系(鎌倉車両センター所属) 1994年12月から運用開始。総武本線では4両、11両、15両で運用されている。4号車、5号車には2階建て車両のグリーン車が付随している。 写真2 E217系(物井〜佐倉) 3) 255系(幕張車両センター所属) 1993年7月から運用開始。総武本線では9両編成で「しおさい」として運用されている。4号車にグリーン車がある。 写真3 255系(千葉みなと) 4) E257系500番台(幕張車両センター所属) 2004年10月から運用開始。総武本線では5両、10両で「しおさい」として運用されている。また「あやめ」を併結して運転されることもある。一部列車は普通列車として運行されている。グリーン車はない。 写真4 E257系500番台(物井〜佐倉) 5) E259系(鎌倉車両センター所属) 2009年10月から運用開始。全車指定席であり「成田エクスプレス」の愛称がある。総武本線では千葉〜佐倉を走行し、佐倉から成田線に入線。6両、12両で運行されている。日中は総武本線内には停車しないが通勤時間帯のみ千葉、四街道に停車する。6号車にグリーン車が付随。 写真5 E259系(物井〜佐倉) また近年は2011年9月まで113系、2013年3月まで211系が活躍していた。 3. 行先表示 総武本線に限らず房総各線は実に、行先の数が豊富である。例えば今回のテーマである総武本線は定期列車での行先は7種類存在する。また行先は同じでも路線経由が異なったりもするため、誤乗防止のための工夫が行先表示器に施されている。 今回はその行先表示を過去の車両から現行の車両ごとに紹介してみる。なおサボと呼ばれる行先表示板と特急車両の行先表示に関しては今回、割愛とする。 1) 113系 113系は同期進段型と呼ばれる方向幕を側面で使用している。一部バーコード型も存在したが、同期進段型が主流だったのでこちらを解説する。同期進段型とは方向幕の方式でもっとも単純なものである。幕の上部左右どちらか(山側、海側で異なる)に検知穴と呼ばれる穴が開いている。その穴を検知ピンと呼ばれるピンで読み取るものである。方向幕を制御する装置(以下指令器)から上に何段、下に何段と指令する。その段数を検知穴を用いて制御するものだ。そのため、まれに検知穴を検知できなくずれてしまう場合がある。その場合は指令器でリセット動作を行わない限り、一生ずれたままになってしまう制御でもある。また幕回しの途中、一瞬止まったりする現象が起こるが、それはすべての方向幕の動作が連動しているためである。 2009年10月現在での行先表示の種類は「千葉」「千葉(八日市場回り)」「成東」「銚子(八日市場回り)」の4種類である。 写真6 113系方向幕(総武本線) 2) 211系3000番台 211系3000番台はバーコード型の方向幕である。方向幕の指令では一番新しいタイプである。同期進段型とは違い、コマを指定した指令が行える。そのため、コマずれが起こっても、次回指令時に正常な位置へと戻ってくる。バーコードを読み込むため、同期進段型と違い、回転がゆっくりである。 2012年9月現在での行先表示の種類は「千葉」「四街道」「佐倉」「成東」「横芝」「旭」「銚子」の7種類である。特に四街道や佐倉、横芝、旭は1日1本のみ。特に横芝は総武本線の終電、旭は銚子始発であるため、遭遇できるタイミングはなかなかなかった。 写真7 211系方向幕(総武本線) 3) 209系2000・2100番台 房総転属時に方向幕からLED式に変更された。路線表示と行先を交互に表示できる形式である。LEDは3色対応(2色灯)である。 2013年4月現在では「千葉」「四街道」「佐倉」「成東」「横芝」「旭」「銚子」の7種類である。 4) E217系 E217系は211系と同じくバーコード型だが、独立した指令器が存在しない。指令器の役目を担っているのは運転台のタッチパネルである。車掌のメニューから行先表示を変更できるようになっている。しかし、基本的な機能は211系とほぼ変わりはない。E217系は登場時は方向幕だったが、順次LED式行先表示器に変えられ、方向幕を装備した編成はすでに存在していない。 2013年4月現在では「千葉」「佐倉」「成東」の3種類である。成東に関しては夜の1本のみの珍しい行先である。 写真8 E217系方向幕(総武本線) 4. その他の行先表示 総武本線には臨時の行先表示として「八街」が存在する。この行先も各形式ごとに存在する。 写真9 左上113系 左下211系 右上E217系(方向幕) 右下E217系(LED) 参考文献
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