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〜 “タウンライナー”千葉都市モノレール 〜

電気工学科2年 2167番 山崎 哲丈

1.概要

 千葉都市モノレール(通称千葉モノレール、タウンライナー)は、千葉みなと駅から県庁前駅を結ぶ1号線、千葉駅から千城台駅を結ぶ2号線の2路線を持つ。1988年(昭和63年)3月28日にスポーツセンター〜千城台間が開業し、全線開業したのが1999年(平成11年)3月24日である。1号線と2号線を合わせた営業距離は懸垂式モノレールの中では世界最長であり、ギネスブックに登録されている。



写真1 走行中の千葉都市モノレール1000形「俺の妹。号」(千葉みなと駅にて)


2. 路線概要

2-1. 1号線

 1号線は、千葉みなと駅から県庁前駅までの3.2キロの区間を結んでいる。1995年(平成7年)8月1日に千葉みなと〜千葉間が開業し、同じ日に2号線の千葉〜千城台間と直通運転を開始した。その後、1999年(平成11年)3月24日に千葉〜県庁前間が開業した。運行間隔は、千葉みなと〜千葉間にて平均5〜8分間隔である(日中は1時間に5本が千城台方面、4本が県庁前方面)。一方、千葉〜県庁前間は平均15分間隔(全時間帯)で運行されている。
 千葉みなと〜千葉間は、千葉みなと駅で接続するJR京葉線と、千葉駅で接続するJR各線&京成千葉線の橋渡しとなる区間であり、間に市役所前駅がある。開業当初は2号線(千城台方面)に直通する電車しかなかったが、県庁前駅まで延伸開業した時に2号線と系統を分けるため、朝夜の一部を除いた全てを県庁前行にしたことがある。



写真2 セントラルアーチ(栄町〜葭川公園間にて)

 千葉〜県庁前間は、間に栄町駅、葭川公園駅があり、千葉パルコや千葉市科学館、千葉県庁などを通る区間だが、千葉駅から出る路線バスの県庁前までの運賃が100円であることと、千葉パルコまで無料バスが走っていること、そして千葉モノレールの初乗り運賃が190円であることにより利用客数は少ない。運行本数も開業当初は1時間に6本あったが、現在は利用客減少により1時間に4本(これは東葉高速線や京葉線海浜幕張〜蘇我間と同じ)となっている。


2-2. 2号線

 2号線は、千葉駅から千城台駅まで12.0キロの区間を結ぶ路線であり、千葉モノレールで一番初めに開業した路線である。1988年(昭和63年)3月28日にスポーツセンター〜千城台間が開業した。その後、1991年(平成3年)6月12日に千葉〜スポーツセンター間が延伸開業した。この時の千葉駅は、今の千葉中央警察署千葉駅前交番(通称フクロウ交番)付近にあり、1号線の千葉みなと〜千葉間開業時に今の千葉駅に移転した。運行間隔は、朝ラッシュ時が平均6分40秒、その他は平均12〜14分間隔である。
 千葉駅を出て総武本線の線路を越えると千葉公園付近を通り、千葉公園駅からは国道126号線の上を走る。作草部駅と天台駅付近には千葉大学、千葉経済大学(短大、付属高校も含む)、敬愛大学(敬愛高校も含む)、千葉東高校などの学校がある。
 天台駅を出ると近くに稲毛区役所がある穴川駅、千葉県総合スポーツセンターがあるスポーツセンター駅、千葉市動物公園と千葉都市モノレールの車両基地である萩台車両基地がある動物公園駅を通る。



写真3 萩台車両基地(敷地外から撮影)

 動物公園駅を出るとみつわ台駅を通り、JR総武本線と接続する都賀駅を通る。その後、加曾利貝塚の最寄り駅となる桜木駅を通ると、小倉台駅、千城台北駅、終点千城台駅に着く。千城台駅には、ベスト電器などが入っているラパーク千城台がある。ちなみに都賀〜千城台間の下を通る道路の愛称はタウンライナーストリートである。


3. 車両

3-1. 1000形



写真4 千葉都市モノレール1000形(千葉駅にて)

 1000形は、千葉モノレールが開業時から運行を続けている車両であり、1次車〜4次車まである。車体はアルミ合金で出来ており、制御方式は電動カム軸式抵抗制御となっている。行先表示器は、1次車と2次車が幕式、3次車以降はLED式である。
 現在18編成(これまで5編成が運用離脱している)が運用されているが、ほとんどがラッピング車である。特に「モノちゃん号」と「俺の妹。号」は千葉モノレールの公式サイトで運転予定時刻表が見られるようになっている。「モノちゃん号」は、開業20周年を記念して2008年(平成23年)12月23日から運行されている。車両の前面と側面に千葉モノレールのマスコットキャラクター「モノちゃん」がラッピングされている。一方、「俺の妹。号」は千葉を舞台にしたテレビアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」(以下俺妹)とのコラボ企画で、2013年3月30日から運行されている。本来は6月30日までに運行を終了するはずだったが、好評により9月30日まで運行期間が延長された。車体の側面には俺妹のキャラクターである「高坂桐乃」と「黒猫(五更瑠璃)」がラッピングされており、前面には特製ヘッドマークが取り付けられている。車内には俺妹のキャラクターによる沿線紹介の広告などがある。また、昼間の時間帯のみ車内放送の声優が「桐乃」を演じる竹達彩奈さんと「黒猫」を演じる花澤香菜さんになる(放送されない日もある)。



写真5 千葉都市モノレール1000型「俺の妹。号」(萩台車両基地にて)


3-2. 0形

 0形は通称URBAN FLYER 0-Type(アーバンフライヤーゼロタイプ)と呼ばれ、2012年7月8日に運行を開始した。



写真6 千葉都市モノレール0形(千城台駅にて)

 千葉モノレール初のVVVFインバータ制御の車両であり、車内にはLED式案内装置などがある。また、ガラスを広く使っており、運転席付近の一部の床はガラス張りになっている。さらに、1000形の時の乗車促進音はベルだったが、0形ではメロディが流れて、かつ乗車促進アナウンスも流れるようになった。
 車両のデザインは、「空」を総合デザインコンセプトとしており、「空中散歩」を楽しめる魅力的な公共交通機関の実現を目指した。このデザインによって、2012年度グッドデザイン賞を受賞した。


4. 最後に

 千葉都市モノレールは、日本でも数少ないサフェージュ式懸垂型モノレール(他は湘南モノレールのみ)である。千葉市の道路事情を考えてこの方式を採用し開業させたが、1号線の延伸計画が白紙になるなど、経営はそんなに良いわけではない。それでも新型車両の導入、人気アニメとのコラボなど明るい話題もある。是非とも千葉都市モノレールに一度乗ることを推奨する。


参考文献
  • 千葉モノレール:http://www.chiba-monorail.co.jp/、2013年8月参照



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