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社会交通工学科4年 0059番 兒玉 紀之 |
1. はじめに これまで、「筑波鉄道」、「鹿島鉄道」と茨城県内において、かつて走っていた鉄道跡をご紹介させていただいた。今回は、茨城県の北部に位置する日立市から水郡線が接続する常陸太田市を結んでいた「日立電鉄線」について取り上げたいと思う。 2. 日立電鉄線の紹介 日立電鉄線は、茨城県日立市の鮎川駅から常陸太田市の常北太田駅を結んでいた。路線は、途中の久慈浜駅あたりで大きく方向を変え、久慈浜より北の日立方面へは、JR常磐線と併走するような配線となっていた。このうち、大甕駅において、この2線が交わり相互の接続をとっていた。 3. 路線データ 路線延長:18.1km 軌 間:1067mm 駅 数:14駅 全線が単線区間、全線が直流600Vで電化されていた。
4. 各駅・各地点でのポイント紹介 JR常磐線と並走し、日立―日立多賀駅間にある鮎川駅跡地は、 かつて駅舎があったであろうスペース自体はあるものの綺麗に撤去され、 今では駅及び電車が走っていた面影もない。 写真1 鮎川駅跡地 河原子駅跡(写真2) 築堤上にあった駅で、線路が道路の上を越した位置に駅舎があり、そこから下に階段が降りていた。 入口は閉鎖されている。写真3は、大甕駅方から旧河原子駅方面を見たもの。 線路こそないが、かつて鉄道が走っていたような面影が感じられる。 写真2 河原子駅跡 写真3 大甕駅方から見た旧河原子駅 大沼駅跡(写真4) 2面2線の相対式ホームを有していた駅である。かつての駅舎及び駅前広場には現在では、タクシーが多数停車している。 駅のあった面影はないが踏切跡があり、 単線であった当線に線路が2線ある(写真5)ことから駅が間近にあったことが分かる。 写真4 大沼駅跡 写真5 線路が2線ある旧大沼駅周辺 旧大沼〜水木〜大甕駅間 この区間には、線路の一部や電車が走っていた痕跡等、わずかではあるが重要な手掛かりがあった。 写真6は、線路が残っている。写真7と8は、旧水木駅に残る踏切と日立電鉄線が書かれている案内板。 写真6 残された線路 写真7 旧水木駅に残る踏切 写真8 日立電鉄線が書かれている案内板
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