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6.南信州・中部編

【→豊橋→辰野→岡谷→塩尻→名古屋→亀山→】

 豊橋発14時42分の飯田線・岡谷行きに乗車。岡谷に到着するのが21時35分なので、7時間弱乗車することになる。軽食と飲み物を買い込み、飯田線を北上する。ある駅で高校生が大勢乗車し、車内が一気に賑やかになる。列車が進むにつれて少しずつ降りていき、静かになったと思いきや、また大勢の高校生が・・・。岡谷に到着するまでの間に、幾度も繰り返した。岡谷からは中央本線で名古屋へ向かい、関西本線に乗り換えて三重県の亀山へ。



7.紀伊半島・近畿・北陸編

【→多気→新宮→紀伊勝浦→和歌山→高田→奈良→天王寺→京橋→木津→柘植→草津→山科→近江塩津→米原→岐阜→富山→敦賀→綾部→京都→新大阪→西明石→尼崎→福知山→】

 亀山から紀勢本線に乗車し、一路南へ。紀伊長島付近からは海沿いに走る。紀伊勝浦駅で下車して、世界遺産・熊野古道の入り口、大門坂や那智の滝を訪ねた。勝浦町は日本一生マグロの水揚げが多い町である。夕食はマグロを食べたいと思い、民宿の人に一番おいしい店を聞いてみた。すると、「一番おいしい店は高すぎてあなたには無理よ!」と、笑顔で言われてしまった。安く、たくさん食べられる店を教えて頂き、さっそく行ってみる。新鮮なマグロをおなかいっぱいに食べて、なんと1000円。地元の人がうらやましかった。紀伊勝浦駅からは紀伊半島の西側を北上して和歌山へ。和歌山県から奈良県、大阪府とまわって再び奈良県へ。加茂から関西本線で柘植へ行き、草津線に乗り換えて草津へ。琵琶湖線、湖西線、北陸本線と乗り継いで琵琶湖を一周して米原へ。岐阜から高山本線で高山へ向かう。高山で下車し、世界遺産の白川郷を訪ねた。合掌造りの集落には外国人観光客が大勢いて異様な光景だった。再び高山本線に乗車し、北陸本線、小浜線と乗り継ぎ、北陸三県を一気に走り抜けて綾部へ。山陰本線に乗り換えて京都へ向かう。新幹線で西明石まで行き、山陽本線、神戸線で尼崎まで戻る。尼崎からは福知山線に乗車し、福知山へ。山陰本線に乗り換えて、中国地方へと入って行く。



8.中国編

【→鳥取→東津山→姫路→岡山→津山→新見→倉敷→福山→塩町→備中神代→伯耆大山→江津→三次→広島→新山口→益田→長門市→厚狭→下関→】

 山陰本線を西へ進む。鳥取駅で途中下車して、鳥取砂丘へ。ラクダがいて、見方によっては本当に砂漠に来たようにも感じられる。鳥取駅に戻り、因美線に乗車。これから中国山地を行ったり来たりする。中国地方のローカル線は運行本数が極端に少なく、予定を立てるのも大変である。一番乗り継ぎが良い行程でも、2,3時間待つことが多かった。ひたすら中国山地の山間を走り続け、広島に到着。山陽本線で新山口へ向かう途中、宮島口で途中下車して世界遺産の厳島神社を訪ねた。新山口からは山口線で益田へ向かう。途中で沿線火災のために列車の到着が1時間ほど遅れた。長門市方面の列車を待っていると、駅員が待合室の客を集め始めた。「竜巻が発生するほど天候が荒れており、タクシーによる代行輸送になる」と伝えられた。やむなくタクシーで移動することとなった。客は私のほかに2人いて、私の隣には中年の会社員の人が座った。自然と会話がはずみ、旅行の話や、会社での仕事について聞かせてもらった。目的地の東萩駅に到着し、その人と別れた。しかし、ホテルのフロントでまたその人に会った。たまたま同じホテルを予約していて、これも何かの縁といって近くのレストランで一緒に食事をした。翌朝、山陰本線で長門市へ行き、美祢線に乗り換える。厚狭からは山陽本線に乗車し、下関へ。いよいよ本州の旅も終わり、最後の舞台・九州へ。



9.九州編

【→門司→小倉→大分→都城→吉松→隼人→鹿児島中央→熊本→久留米→夜明→田川後藤寺→新飯塚→折尾→吉塚→桂川→原田→博多→新鳥栖→肥前山口→早岐→諫早→肥前山口】

 関門海峡を潜り、ついに九州上陸。ソニック・にちりんと特急列車を乗り継ぎ、日豊本線を南下。宮崎からは普通列車で都城へ。吉都線に乗り換え、えびの高原をぬけて吉松に到着。その後、肥薩線で隼人へ行き再び日豊本線に乗り換えて鹿児島中央へ。桜島や、鹿児島随一の賑わいを見せる天文館などを訪ねた。九州新幹線で久留米まで一気に北上し、北九州内陸を細かく乗り継いでまわる。博多から再び新幹線に乗車して新鳥栖へ。長崎本線、佐世保線で早岐駅へ向かう。途中、肥前山口駅を通過した。次にこの駅に到達したとき、今回の旅行は終わる。早岐から大村線で諫早に向かい、ここで途中下車して長崎へ。日本三大夜景と称される稲佐山に立ちよった。諫早駅に戻り、今回の旅行最後の列車「かもめ50号」に乗車。真っ暗な長崎本線を走り22時34分、肥前山口駅に到着した。



10.終わりに

 9月5日。稚内より遥かな道のりを経て肥前山口に到着。28日間、1万キロを超える長い旅が終わった。この日、切符に“無効”の印がおされた。終わってみれば、あっという間だった。出発前は「1か月もある」と思っていたが、終わってみると「1か月しかなかった」と思うようになっていた。こんなにも長い旅行をするチャンスは滅多に無いだろう。忘れないうちに何らかの記録を残そうと考えつつ、帰路についた。





 
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