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〜 JR武蔵野線について 〜

社会交通工学科3年 0144番 杢谷 颯太






写真1 JR武蔵野線 205系




写真2 武蔵野線の本当の終点 新鶴見信号所



1.概要

 JR武蔵野線は、東京都府中市[府中本町]から千葉県船橋市[西船橋]の71.8km間の旅客路線と、 鶴見からの貨物専用線をあわせて、100.6kmの路線で、今でも、 貨物列車が頻繁に通ったり、新座や南越谷貨物ターミナル駅があったりする。 これは武蔵野線が元々、貨物専用線として敷設する計画があった名残であろう。 最も、定期的に機能しているのは、旅客営業の方であるが。


@貨物専用線



写真3 新座貨物ターミナル


 また、団体列車や臨時列車に、貨物専用線が使われることも度々である。 その貨物専用線であるが、JR横須賀・総武快速線・湘南新宿ライン新川崎駅付近の JR貨物鶴見信号所付近から、東海道新幹線と交差する所を通り、そこから、 非常に長い地下トンネルを通る。
 他の路線(JR含む)の駅名を借りれば、武蔵小杉、武蔵中原、宮崎台、生田、稲城、 というように通る。特に京王相模原線稲城駅付近は、線路が電車からでも見えるので、 すぐにわかると思う。もし、その線をたどりたいなら、大宮〜鎌倉まで、 武蔵野線経由で直通するホリデー快速鎌倉号などに乗ると良い。でも、これらは臨時列車なので、 事前に運転日や時刻を時刻表で確認する必要があるので注意する必要がある!



写真4 ホリデー快速鎌倉号{府中本町〜南多摩(南武線)間}


A乗り換え利用

 また、この路線は単独利用より乗り換え利用の方が多い。
 これは、沿線にベッドタウンが多く、乗り換えが多いのも、特徴となっているからである。特に、 西国分寺[JR中央線]・新秋津{秋津(西武池袋線)}・北朝霞{朝霞台(東武東上線)}・ 武蔵浦和[JR埼京線]・南浦和[JR京浜東北線]・新松戸[JR常磐線各駅停車]・ 西船橋[JR総武線各駅停車・東京メトロ東西線・東葉高速鉄道]は、入れ替えがとても多い。



2.歴史

@開発

 武蔵野線は元々、「東京外環貨物線」という貨物専用線としての敷設計画があった。 それは、1927年の鉄道敷設法に取り入れられていたが、第2次世界大戦等で、一時凍結となっていた。 戦後、山手貨物線の本数増加にともなって、 1964年から日本鉄道建設公団(鉄建公団)によって、工事が着工された。 また、1947年の新宿駅の貨物列車(米軍燃料のタンク車)の転覆炎上事故があった。 そこで、繁華街を危険な貨物列車が通るのは好ましくないということで、 都心からかなり離れた場所に貨物線をつくることにしたのも、理由の一つである。
 ところが、貨物専用線では、沿線の住民の理解が得られなかったため、 急遽旅客営業も行う計画に変更されたこともあった。その後、昭和40年10月8日に南浦和〜新松戸、 昭和41年9月1日に新松戸〜西船橋、昭和42年1月20日に府中本町〜南浦和の敷設免許を取得した。


A開通

 そして、昭和48年に、武蔵野線の府中本町〜新松戸が開業した。 しかし、当時は貨物輸送を主とした考え方が強かったため、昼間は40分間隔、 ラッシュ時でも15分間隔で運転されていた。その後、沿線人口の急増や貨物列車の本数削減により、 旅客本数が増え、旅客主体の路線となっていった。また、昭和53年には、西船橋までのびた。 さらに、昭和60年には、新三郷と武蔵浦和の2駅が開業した。
 昭和61年12月1日から、京葉線(当時は、新木場〜蘇我間のみ)に乗り入れを開始。 当時、東京方面は新木場まで、千葉方面は蘇我まで直通していた。
 平成2年に、京葉線が東京まで伸びると、武蔵野線も東京まで直通するようになったが、 千葉方面は新習志野までとなってしまった。
 ちなみに、その間の昭和62年には、国鉄がJRに民営化されていた。


Bその後のおもな動きの年表

1991年 台風で新小平駅が冠水。
     2ヶ月間、西国分寺〜新秋津間が不通。
1998年 東松戸駅開業。
2005年 ダイヤ改正で103系が廃車。
2008年 越谷レイクタウン駅開業
2010年 209系500番台を京葉線から導入
     大宮直通電車「むさしの」号、「しもうさ」号の運行開始
2012年 吉川美南駅開業



3. 使用車両




写真5 205系0番台




写真6 205系5000番台




写真7 209系500番台



4. まとめ

 地味で長いが、沿線住民や利用者から見れば価値のある路線である。武蔵野線だって、 JRの重要な路線であることに、変わりはない。特に、貨物列車にとっては、 深い歴史や乗り換え路線の多さからもそれがわかる。そして、近年では、越谷レイクタウン、 吉川美南という新しい駅の開業が続いている。そして、そのまわりでも、 大規模な工事が行なわれている。武蔵野線沿線も立派なベッドタウンであるといえるであろう。



5. 参考文献

  • JR武蔵野線歴史  http://www.city.funabashi.chiba.jp/sogokotsu/railway/history/rekishimusashi.htm
  • 武蔵野線序論 http://www.joy.hiho.ne.jp/musashino/intro.htm





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