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4.(臨)津島ノ宮駅 [記:那須]



写真9 「津島ノ宮」駅名標


 田井ノ浜から津島ノ宮への行程では、那須は、太平洋を眺めながら室戸を経由して高知県側から 北上するルート、長谷川は、来た道を戻って徳島・高松を経由するルートの2手に分かれ、 多度津で再び合流した。そういった離合集散もまた、旅の醍醐味である。

 多度津を出て、次駅の海岸寺を過ぎると美しい瀬戸内海の風景が目に入ってきた。そして、 間もなくして津島ノ宮に到着した。


 津島ノ宮駅は、1年のうち2日しか営業されないという非常にレアな駅である。駅に隣接する 津嶋神社の夏季大祭に合わせて、毎年8月4日・5日のみ営業するというスタイルをとっている。 本年度は8月4日・5日がちょうど土・日曜日になったということも、この旅行を実施する大きな きっかけとなった。

 訪れ易さから考えると、予讃線の観音寺以東の運転本数の多い区間に位置し、概ね毎時2本ある 快速・普通列車の全てが停車するという点から、その日に行くことさえできれば、ある意味、 前述の田井ノ浜駅よりも訪れやすい駅になるのかもしれない。

 臨時駅ということで新しい駅を想像していたが、大正4年開設という大変歴史のある駅である。 開業時からこのような営業形態をしていたのかは不明であるが、1年に2日しか営業されない 駅にも関わらずきちんと駅舎があることも、歴史ある駅を感じさせる点である。




写真12 設置された簡易な駅舎


 津島ノ宮駅付近の線路はかなり傾いている。それも普通の傾き具合ではなく、ホームと 車両の間の間隔があまりにも開いていることにより、駅員による乗降の補助を必要とする くらいである。これは、もともと駅の設置に適さないカーブ上に、無理に駅を設置したからだと 思われるが、1年に2日しか営業されない特殊性から、特に改良もされないまま現在まで 残っているものと思われる。




写真13 大きく傾いて停車する電車






写真14 車両とホームには大きな隙間がある


 駅から津嶋神社への参道には多くの出店が出店されており、親子連れが多いことも相まって、 大変な賑わいを見せていた。津嶋神社は子供の守り神として信仰を集める駅であり、当日も 多くの親子連れで賑わっていた。

 特徴はなんと言っても津島橋である。駅と同様、この橋も毎年夏季大祭期間中のみしか 渡ることができず、橋桁の板も取り外されている。渡橋料が300円かかるものの、駅を 訪れた際には是非とも訪れておきたいスポットである。


   

  写真15 津島橋(入口から撮影)        写真16 橋上から見える津島神社



 橋上から見た瀬戸内海の風景は格別であった。橋を渡った先の津島に本殿があり、祈祷が 行われていた。神社下の浜では青空の下、たそがれている人々の姿があった。

 津島ノ宮駅と津嶋神社、なかなか行こうと思っても行ける場所ではないが、四国方面の旅行で 時間ができた際には、是非お勧めしたい。




写真17 橋上からの景色




5..参考文献

  「JR四国公式ホームページ」 http://www.jr-shikoku.co.jp/
  「子供の守り神津嶋神社」  http://www.tsushima-jinja.com/index.html




〜 終わり 〜



 
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