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〜 秋田と都会を結ぶ大動脈 秋田新幹線 〜

社会交通工学科 1年 1147番 山根 佑太

1. 秋田〜東京間 3時間49分!!

 秋田新幹線は、1997年3月にミニ新幹線方式を採用し、運転を開始した秋田〜盛岡〜東京を結ぶ新幹線である。 秋田〜東京間を最速3時間49分で結び、開業当初から秋田〜東京間を結ぶ大動脈として活躍してきた(開業前の所要時間は4時間37分)。 東北新幹線内では最高速度275km/hで走行する。
 車両はE3系の6両編成で運行されている。 2012年度からは最新のE6系が運行される予定で、最高時速300 km/hとなり、所要時間も短縮されることが見込まれている。



2. 車両の紹介

2-1.E3系

 秋田新幹線の代名詞とも言える車両。開業当初から運用されて おり開業当初は5両編成、現在は6両編成で運転されている。現 在は山形新幹線や東北新幹線でも運用され幾つかのバリエーショ ンがある。


表1 E3系概要
編成 R 6両
L 7両
営業最高速度 275km/h
設計上最高 315km/h
全長 20500mm
全幅 2950mm
全高 4080mm
制御装置 VVVFインバータ制御
製造 川崎重工、東急車輛製造


・0番台 R−1編成

 量産先行車。前面が400系に似ている。前照灯が量産車と 違い運転席の上部に設置されている。遭遇したらラッキーで ある?



写真1 0番台 R−1編成



・0番台 R−2〜R−16編成

 開業前に製造された量産車。編成数の変更(5両→6両)によりパンタグラフのないパンタカバーがある。



・0番台 R−17〜R−26編成

 増備車。パンタカバーが2つとなり運転席ワイパー2本となっている。

 この他にも山形新幹線用の1000番台・2000番台(識別はL) がある。それぞれ最高速度240 km/h・275 km/hと違いがあり、正面ヘッドライトも形状が違っている。



写真2 R−16編成



2-2.E6系

 2012年度より300 km/hで営業運転を開始し、2013年度 には320 km/hで営業運転を開始する予定の新型車両。E5系 と同じくロングノーズタイプの先頭形状、全周幌、台車カバ ーを採用。車内には電源コンセントを設置しフルアクティブ サスペンションを装備。編成はE3系より1両多い7両で運 転される。
 インテリアデザインはゆとり・やさしさ・あなたのをキー ワードに丁寧な拵えと誂えをコンセプトとしてデザインされ た。車体は茜色を主体とした気品さと大胆さを併せ持つ塗色 がされている。

表2 E6系概要
編成 7両
(5M2T)
営業最高速度 320km/h
全長 23075mm(先頭)
20500mm(中間)
全幅 2945mm
全高 3650mm
制御装置 VVVFインバータ制御(IGBT素子)
その他 電源コンセント設置
フルアクティブサスペンション
車体傾斜装置
全周幌 台車カバー







写真3 E6系






図1 E6系の機能



3. 秋田新幹線が抱える課題とY氏が考える妄想改善案

※以下の記事はあくまでもY氏が個人的に考えている妄想である。

 秋田新幹線は開業当初より秋田〜東京を結ぶ大動脈として活動してきた。 しかしながらミニ新幹線方式を取っていることによりいくつかの問題や課題がある。

 まず秋田〜盛岡間を高速運転出来ないことだ。在来線である奥羽本線・田沢湖線を走行するため、 山岳地帯の急カーブや踏切も存在し最高速度は130km/hに抑えられてしまう。E6系の導入後もこの区間の速度は変わらない。
 またこの区間はほとんどが単線(複線は神宮寺〜峰吉川のみ)でもあり、 停車駅外で列車の待ち合わせも発生してしまう。(田沢湖線701系を待つことも…) このような点から秋田新幹線は所要時間が数分伸びており、また高速運転による時間短縮も限界がある。

 次に秋田〜大曲間を走行する場合、大曲駅でスイッチバックが存在することだ。これもまた所要時間の増加につながるが、 何よりこの区間を座席を逆にしている点が個人的には好きでない。大きな問題ではないかもしれないが進行方向側に背を向けて座り、 バックで高速運転をしているとたまに気分が悪くなることもある。

 上記のような課題の改善案としては、まず秋田〜東京間の所要時間短縮を目指す点では、 走行区域内の奥羽本線・田沢湖線の複線化が考えられる。 単線から複線にしてしまえば列車の待ち合わせもなくなり、上下線の列車がスムーズに行き来できる。 欲を言えば東北新幹線のように、全線高架化してしまえば秋田〜東京全区間を高速運転でき、所要時間は大幅に短縮されるだろう。
 大曲駅でのスイッチバックだが、配線の都合上仕方のないこととしても、個人の妄想であるが現状の大曲駅の位置を秋田 寄りに北上させ、田沢湖線の接続を秋田寄りに向けてカーブさせればスイッチバックの必要もなくなり、バックで高速運転 という妙な体験もなくなる。しいては列車の所要時間短縮も期待できる。



図2 スイッチバック改善案



4. 最後に…

 秋田新幹線はE6系の導入など今後も発展し、秋田と東京都心を結ぶ主要交通機関として活躍していくことが期待される。 現在、田舎・過疎化などマイナスのイメージが多い秋田の活性化に、秋田新幹線が一役担うことを個人的には願う。



5.参考文献・引用等

 ・http://www7a.biglobe.ne.jp/~akitetu/jreast/sinkansen/index.html
 ・新型高速新幹線(E6 系)量産先行車について
  http://www.jreast.co.jp/press/2009/20100203.pdf#search='e6系'
 ・http://www7a.biglobe.ne.jp/~akitetu/jreast/sinkansen/index.html
 ・http://journal.mycom.co.jp/photo/news/2010/02/03/005/images/003l.jpg
 ・エクスプレス http://express22.eco.coocan.jp/jrakitashinkansen.html
 ・Railmagazine325

※本記事はY氏の個人的意見も多数入っており、またミス等もあると思いますがご了承ください。





 
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