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〜 東北新幹線の概要と車両について 〜

社会交通工学科 1079 竹田 梧朗

1 概要

・総距離 674.9km(営業キロ 713.7km)
・最高速度
 東京駅〜大宮駅 110km/h
 大宮駅〜宇都宮駅 275km/h
 宇都宮駅〜盛岡駅 320km/h
 盛岡駅〜新青森駅 260km/h
・開業年月日
 大宮駅〜盛岡駅 1982年6月23日
 上野駅〜大宮駅 1985年3月14日
 東京駅〜上野駅 1991年6月20日
 盛岡駅〜八戸駅 2002年12月1日
 八戸駅〜新青森駅 2010年12月4日




2 使用車両

・E2系



写真1 E2系と連結しているE3系 盛岡駅にて



 最高速度275km/h。1997年3月デビュー。長野新幹線及び東北新幹線に使用する車両として開発された。新幹線の建設の基準に、勾配は15パーミル以下にしなければならないという基準があるが、長野新幹線は勾配が30パーミルあったので、電動機がパワーアップされて、上りがあれば下りがあるので急勾配対策として電動機を発電機として使い、ブレーキエネルギーを効率良く電力に変換する電力回生ブレーキを採用。さらに車両を軽量化するといった工夫がなされている。
 東北新幹線では長野新幹線とは異なる編成で運行されていて、2002年12月からはE2系-1000番台が運行されている。最近では全ての号車の全ての列にコンセントが設置されるなど、改良が進められてきたが、E5系の登場により近いうちに東北新幹線から姿を消す日が来ることを考えると少々残念である。


・E3系




写真2 E2系と連結しているE3系 盛岡駅にて


 最高速度275km/h。1997年3月デビュー。秋田新幹線や山形新幹線で使用されている。
 在来線を走るので車体が小さい。そのため、座席が二列+二列で車高も低いので狭く感じる。正直、私はあまり長くは乗りたいと思わない。
 現在は盛岡や仙台始発の「はやて」、「やまびこ」や「なすの」に連結されることがあり、車体には大きく「こまち」とかかれているのに、その上の電光掲示板には「やまびこ」と表示されるという面白いものを見ることができる。


・E4系



写真3 上越新幹線のE4系 東京駅にて



 最高速度240km/h。1999年12月デビュー。愛称は「Max」。東北新幹線や上越新幹線で使用されているオール2階建ての車両。定員は1634名で、高速列車では世界最大の定員数を誇っている。
 定員数世界最大の高速列車が誕生した理由は、単に利用者数が多かっただけではない。新幹線定期券が発売されてから、特に、東北新幹線の那須塩原〜東京間と上越新幹線の高崎〜東京間の利用客が増加し、通勤客が利用する時間帯は混雑した。ところが、増発して対応しようにも、当時の東京駅の東北・上越新幹線のホームは1面2線しかなく、増発による対応は限界にきてしまった。
 そこで、1編成の列車の定員を増やす方法がとられ、1994年にオール2階建ての12両編成で定員が1235名のE1系が誕生。これで、通勤時の混雑緩和に大きく貢献した。しかし、東北・上越新幹線は、時期によって乗客が大きく異なり、繁忙期以外にE1系を運行させても空席が目立つばかりだった。
 こうして東北・上越新幹線の特性を踏まえて開発されたのが、オール2階建ての8両編成で定員が817名のE4系なのである。繁忙期には2編成を連結させて16両編成での運行を可能とし、定員1634名の高速列車が登場する。

 E4系には3列+3列の座席があったり、デッキに売店があったりと車内にも面白いものがあるが、3列+3列の座席はリクライニングができず長時間座りたいとは思わないので、私はこの座席にはあまり座らないようにしている。
 しかし、E4系も近いうちに廃止されることが決定し、これからの東北・上越新幹線の動向が注目されるだろう。



・E5系



写真4 停車しているE5系 東京駅にて



 最高速度320km/h。2011年3月デビュー。現在は東北新幹線で使用されている。現在は最高300km/hで運行されている。普通席の全席に可動式の枕があることや、国内初の新幹線最上級車両「グランクラス」が連結されているなど、車内の設備も今までの車両とは違うのである。

 E5系は、もともと最高速度が360km/hになる予定だったが、騒音や振動など環境に配慮して最高速度を320km/hになった。このほかにも、地震などで緊急停車する際、空気抵抗を使って急停車する緊急ブレーキのひとつである「ネコの耳」とも呼ばれる出し入れ自由な空気抵抗増加装置も装備される予定だったが、走行試験をした結果、ブレーキの性能向上だけで、目標の制動区間内で停止できたため、これも不採用となった。

 東京〜盛岡間で震災前に一回乗った(もちろん普通席)ことがあり、確かに速いとは思ったが、もう一回乗りたいとは思わなかった。その理由として、可動式の枕がけっこう邪魔だったこと、「はやて」や「やまびこ」とくらべて特急券が高いこと、たまたま地震により緊急停車したために列車が遅れて所要時間が短くなったことが実感できていない(緊急停車のトラウマもあるかもしれない)ことだと思われる。ただ、一度は乗ってみてもいいのかもしれない。



参考文献

・交通新聞社 JR時刻表 平成23年2月号
・レイルウェイ研究会編 新幹線に乗るのがおもしろくなる本




 
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