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〜 埼京線205系と東京臨海高速鉄道(りんかい線)70‐000形 〜

社会交通工学科 1年 1067 清水 翔太

1. 埼京線

1-1 埼京線建設経緯

 埼京線は、東北新幹線建設の見返りとして、沿線の利便性向上のために赤羽から大宮に建設された通勤新線である。 当初の計画では高崎線と直通する予定だったが、車両基地の用地取得が困難だったため、 用地取得が比較的容易な川越線沿線に車両基地を建設することが決定し、川越線を電化して直通し、 南古谷に車両基地を建設することで落ち着いたのである。


1-2 埼京線の歴史

 1985年9月に池袋−川越間が開業し、開業時は103系で運行されていた。1986年3月に新宿延伸開業し、 1989年7月から205系が投入され1990年12月には103系の置換えが完了した。1996年3月に恵比寿延伸開業。 2001年7月から女性専用車両をJR東日本で初めて導入し、同年8月には旧山手線の6扉車の組込みを開始した。 2002年12月には大崎延伸開業し、同時に大崎まで延伸したりんかい線との相互直通運転を開始した。 2009年12月からは防犯カメラを通勤電車として全国で初めて導入したのである。



写真1 埼京線205系6扉車組込み編成


1-3 埼京線205系について

 埼京線の205系〈写真1,2〉は1989年から103系の置換え用として投入され、1990年までに10両編成23本が新製投入され、 また山手線と中央・総武緩行線から10両編成が各1本転入し205系に統一された。
 その後も延伸開業や輸送力増強、 混雑緩和のために山手線と中央・総武緩行線、京浜東北線から10両編成7本と山手線の6扉車のサハ204が52両転入し、 りんかい線相互直通運転開始に合わせ前面・側面の行先表示が従来の幕から3色LEDに変更された。
 2007年1月に川越線内での踏切事故のためハエ24編成のモハ205‐386とモハ204‐388が廃車になり、 補充として京葉線からモハ204‐277とモハ205‐277が転入したのである。このため、 モハ204‐386とモハ205‐388が車番違いのユニットを組んでいるのである。

 現在は、10両編成32本がすべて川越車両センター(宮ハエ)に所属している。 そのうち26本は6扉車のサハ204を2両組み込んだ10両編成で、残りの6本はオール4扉車である。
 埼京線は、痴漢防止のため10号車は平日の上り(川越⇒新木場)で新宿を7:30〜9:40に発着する列車と 平日の下り(新木場⇒川越)で新宿を23:00〜終電に発着する列車は女性専用車となっているのである。 また、一番混雑の激しい1号車には防犯カメラが4台設置されているのである。



写真2 埼京線205系オール4扉車編成



2. 東京臨海高速鉄道(りんかい線)

2-1 りんかい線建設経緯

 りんかい線は、川崎貨物駅から東京貨物ターミナルを経て、東京湾の沿岸を通り、 千葉貨物ターミナルへ向かう貨物ルートとして計画され、建設工事が行われたが、 建設途中で工業用地として計画されていた沿線の土地利用計画が大幅に変更され、 住宅地や行楽・商業施設等に変更されたのである。そのため、貨物線の旅客化が要望され、 新木場−蘇我間の旅客化と東京−新木場の新規建設が決定し、京葉線として開業したのである。
 また、建設工事が凍結した東京貨物ターミナル−新木場間の設備を活用し旅客化することで、 東京湾岸部で開発が進められていた臨海副都心への交通機関とするために、 第三セクターの東京臨海高速鉄道(株)が設立されたのである。


2-2 りんかい線の歴史

 1996年3月に新木場−東京テレポート間が開業したのである。その後、2001年3月には東京テレポート−天王洲アイル間が開業、 2002年12月には天王洲アイル−品川シーサイド間で分岐、新規建設された天王洲アイル−大崎間が開業、 同時に大崎まで延伸した埼京線との相互直通運転を開始した。


2-3 りんかい線70‐000形について

 りんかい線の70‐000形〈写真3〉は1996年3月の開業時用に4両編成4本が投入され、1999年には列車増発用に4両編成1本が増備された。 さらに2001年には天王洲アイル延伸時用に4両編成1本が増備された。
 りんかい線に大きな変化が現れたのは2002年12月の大崎延伸時であり、 今まで4両編成のみだったのを埼京線との相互直通用の10両編成とりんかい線内用の6両編成を登場させたのである。
 大崎延伸時には10両編成4本の新製と4両編成1本を10両編成化用の中間車6両、4両編成5本を6両編成化用の中間車10両が増備された。
 2004年10月には全10両編成化のために、10両編成化用の中間車6両を増備し、6両編成5本のうち2本(02・03編成)の編成をばらし、 残りの3本(01・04・05編成)に組込み、10両編成3本(新01−03編成)になったのである。
 この組成変更の余剰車6両(先頭車4両:70‐020・70‐029・70‐030・70‐039、中間車2両:70‐027・70‐028)はJR東日本に売却され、 クハ209−3101・クハ208‐3101・クハ209‐3102・クハ208‐3102・モハ209‐3102・モハ208‐3102として改造し、 不足するモハユニットは新製し(モハ209‐3101・モハ208‐3101)、 川越車両センターの71・72編成として川越・八高線で運用しているのである。
 現在は、10両編成8本がすべて東臨運輸区に所属している。
 りんかい線も、痴漢防止のため10号車は平日の上り(川越⇒新木場)で新宿を7:30〜9:40に発着する列車と 平日の下り(新木場⇒川越)で新宿を23:00〜終電に発着する列車は女性専用車となっている。 また、一番混雑の激しい1号車には防犯カメラを順次設置している。



写真3 りんかい線70‐000形





図1 埼京線・りんかい線 路線図



表1 埼京線・りんかい線 編成表





3. 参考文献

 RM MODELS ARCHIVE 鉄道車両ガイド−vol.2 205系
 鉄道ファン2002年12月号
 鉄道ファン2008年10月号
 鉄道ファン2009年4月号
 鉄道ファン2010年8月号





 
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