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〜 JR九州 415系・713系・717系・817系 〜

社会交通工学科 1年 1027番 大崎 意

0. はじめに

 私の出身の宮崎県の周辺では新旧さまざまな列車が走っているが、 今回は宮崎県と大分県南部の普通電車について紹介したいと思う。



1. 415系(大分車)

〜関門、大分地区を支えるオールラウンドプレイヤー〜

表1 基本データ
運行区間 佐伯〜門司港・下関
所属編成数 9編成
編成(MT比率) 4両(2M2T)
主電動機(出力) MT54B(120kw)
営業最高速度 100km/h
電気方式 交流20000V(50Hz/60Hz)直流1500V
運行開始 1971〜
所属(略号) 大分車両センター(分オイ)



・運行

 幸崎電化の際に南福岡電車区から転属して、1980年代、1990年代は大分地区の主力として活躍してきたが、 1999年に新型車両の815系が登場すると、415系の大分地区での運用が減少。2000年後半には811系が投入され、関門運用を除くと朝夕のみ運用し、 昼間は車庫で寝ているというのが日常であった。しかし、2011年に811系が撤退すると、昼間でも運用が復活。 杵築〜佐伯の着席率向上に役立っている。また、現在でも関門運用があるため、大分〜門司港間のロングラン運用も存在する。



・所属編成

 現在は、Fo1,6,104,107,109,112,117,118,125の9編成36両が所属しており、 Fo1,6は2009年にJR東日本の常磐線で活躍していた415系を3編成JR九州が購入した際、 余剰になったFM1,FM6が南福岡から転属。大分で活躍していた初期車Fo2,Fo3を置き換えた。



・車内

 車内は、南福岡から転属してきたFo1,Fo6はオールロングシートだが、残りの編成はセミクロスシートで構成されている。  また、Fo109とFo107を除く編成ではリニューアル工事が行われており、床や壁の配色の変更やHMステーの撤去、 一部窓の固定化が図られている。



写真1・2 リニューアル編成のFo104編成と車内





写真3・4 非リニューアル編成のFo109編成と車内(車内はFo117編成)



2. 713系

〜サンシャインの愛称で日向路を駆ける豪華普通列車〜

表2 基本データ
運行区間 宮崎空港・西都城〜延岡
所属編成数 4編成
編成(MT比率) 2両(1M1T)
主電動機(出力) MT(150kw)
営業最高速度 100km/h
電気方式 交流20000V(60Hz)
運行開始 1983〜
所属(略号) 鹿児島車両センター(鹿カコ)
定員 226名(2両)



・運行

 ここでは鹿児島車両センター時代について説明する。
 新製当時は、南福岡電車区に所属し、長崎本線で活躍していたが、宮崎空港線開業で鹿児島車両所へ転属。リニューアル工事を受け、 「サンシャイン」の愛称が与えられて、宮崎地区へ投入。延岡〜宮崎空港間の快速「ひむか」に限定投入(一部は475系で運転)され、 時刻表にも「サンシャインで運転」と表記されていた。
 しかし、2000年に快速「ひむか」の愛称が消滅。一部が特急「ひゅうが」へ格上げされると、普通列車の運用が多くなる。 (快速は475系が担当)2003年には817系投入とワンマン化で、ワンマン装置の取り付け等が行われる。
 現在は、宮崎地区のローカル列車として宮崎県内を活躍しているが、他形式より定員が少ないことや、 最高速度が乗らないことなどが要因して運用が717系などにシフトしている。



・所属編成

 Lk1〜2の0番台4編成が鹿児島車両センターに所属している。以前はLk901〜904と900番台を名乗っていたが、 2008年頃から始まった主制御器を換装して0番台に改番した。



・車内

 車内は、カラフルなセミクロスシートで、クロスシート部分は485系の廃車発生品のリクライニングシートに取り換えていて、 ロングシート部分も一人一人用にヘッドレストもついている。また、 車内と車体のデザインはJR九州の顧問デザイナーの水戸岡鋭冶氏が手掛けている。



写真5・6・7・8 713系全編成。
左からLk901、Lk902、Lk903、Lk904(現在はすべて0番台化し、Lk1〜Lk4に改番)





写真9・10 側面の外観(左)と車内(右)


3. 717系

〜急行型電車を改造!〜

表3 基本データ
運行区間 宮崎空港・川内〜延岡
所属編成数 6編成
編成(MT比率) 2両(2M0T)
主電動機(出力) MT54B(120kw)
営業最高速度 110km/h
電気方式 交流20000V(60Hz)
運行開始 1986〜
所属(略号) 鹿児島車両センター(鹿カコ)



・運行

 475系から改造されてからは475系を補完するような形で大分、宮崎、鹿児島地区で活躍していて、 1995年には457系の車体を流用した900番台が新たに誕生したが、815系が大分地区で活躍し始めると、 大分地区から撤退。2003年になると鹿児島にも817系が投入され、2004年の九州新幹線開業で運用数が激減。 鹿児島地区と宮崎地区の近郊区間で細々と運用していた。
 しかし、2007年に475系が引退すると、運行区間大分まで一気に拡大。2008年には杵築までに延長するが、 2009年10月に佐伯〜延岡が気動車に移管すると状態の悪かったHk6と異色の存在だったHk901が廃車になり、 大分地区での運用も再び消滅するが、延岡〜宮崎での運用が増え、ラッシュ時にも見かけるようになった。また、 475系の運用を引き継いでいることもあり、1日1本2+2+2の6両編成(6M0T)運用も存在する。




・編成

 現在Hk1〜5、7の6編成が活躍している。前述の通り、Hk901などの異色編成も存在した。 Hk901は457系の車体の真ん中に無理やり両開きドアを増設するという改造を受けている。



・車内

 車内は一般的な国鉄車両のセミクロスシートだが、前期型(Hk1〜4)と後期型(Hk5〜7)、 900番台で車内に違いがあり、前期型は戸袋窓がありボックスシートは8つ。後期型は戸袋窓がなくボックスシートは4つ。 900番台は3ドアでボックスシートは6つと違いがある。



写真11・12 717系200番台前期型の外観と車内





写真13・14 後期型の外観と車内





写真15・16・17 717系900番台の外観と車内



4. 817系(鹿児島車)

〜鹿児島、宮崎で活躍!ローカル名プレーヤー〜

表4 基本データ
運行区間 宮崎空港・川内〜延岡
所属編成数 13編成
編成(MT比率) 2両(1M1T)
主電動機(出力) MT401KA(150kw)
営業最高速度 120km/h
電気方式 交流20000V(60Hz)
運行開始 2001〜
所属(略号) 鹿児島車両センター(鹿カコ)
定員 258名(2両)




・運用

 2003年に福北ゆたか線から転属してきてから8年がたつが、 鹿児島地区、宮崎地区でのローカル運用の主力車両として活躍している。
 2003年から475系を置き換えはじめ、2007年には475系をすべて置き換えのためにさらに3編成転入。475系を415系とともに置き換えた。 定員も宮崎地区ではもっとも多いため、通勤・通学時間帯には2+2の4連運用も多数存在する。
 現在は、鹿児島中央〜川内を中心に宮崎地区でも活躍しているが、宮崎地区では717系の運用が増え、逆に運用が減っている。



・編成

 2003年に転属してきたVk2〜11と2007年の475系引退に伴って新たにVk14、18、19が転属してきて、現在13編成が活躍している。



・車内

 車内は落ち着いた雰囲気のオールクロスシートで、座席には革張りを採用している。また、ドア付近では吊革が円形に配置されており、多くの人が吊革をつかむことができる。 カーテンはないが、UVカット96%の大きなスモークガラスを採用している。



写真18 817系の4両運用。





写真19 車内。円形に配置された吊革も見える



参考文献

エリエイ 月刊とれいん 2006年7月号「東北、北陸、南九州 交直流急行型電車大全」
イカロス出版 形式455系
http://www.uraken.net/rail/alltrain/uratetsu415.html

引用画像
717系200番台後期型車内:http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Race/7496/kyusyu/ec717200.html
713系車内:http://www.uraken.net/rail/alltrain/uratetsu713.html





 
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