←前のページへ次のページへ→
〜 ソニック号について 〜

社会交通工学科1年 1005番 安部 康太郎

1. ソニック号

 ソニックと言えば、セガのソニック・ザ・ヘッジホッグをイメージする人は少なくないと思うが(色が同じだから?)、 JR九州の特急列車として今も活躍している列車のことである。アジアの玄関口、福岡の博多から鹿児島本線を通り、 途中北九州工業地帯の小倉で折り返し、日豊本線に入り、別府や湯布院など有名な温泉地のある大分へ最速2時間で向かう。 夜間に2本が佐伯へと足を延ばす。(翌朝に佐伯から博多へと向かう)。またソニックという語彙は音速という意味を表す。



2. 車両(883系)

 このソニック号運用のために水戸岡鋭治がデザインした車両で、1994年に7両編成3本が、97年に5両編成2本がそれぞれ導入された。 一番の特徴としては、座席のネズミのようなヘッドレストで、車の座席のように上下に調整ができる。その結果、 1996年にブルーリボン賞とブルネル賞を受賞した。また、JR九州だけでなく、 営業用交流型特急電車で初の振り子式車両でもある。
 2005年3月から2007年4月にかけて、車内から外観を全編成リニューアルした。 まずは5両編成から秋ぐらいから7両編成のリニューアルが開始された。 以前は水色とステンレス無塗装でしたが九州の東海岸の濃いメタリックブルーに塗装された。

 2011年9月現在、8編成が大分車両センターに配置されている。883系は1次車から4次車に分けられていて、 これを外観だけで見抜けられる。
 1次車(AO‐1・2編成):逆さの三角形に中線が引かれている形
 2次車(AO-3編成)  :ヒゲみたいな形
 3次車(AO-4・5編成):ソニックの頭文字「S」が描かれている
 4次車         :正面は3次車と同様。885系らしき車両が2両連結。(後で詳しく)




写真1 旧塗装の1次車(博多)





写真2 新塗装の2次車(小倉)





写真3 旧塗装の3次車(別府)





写真4 4次車に連結された1000番台(別府)





写真5 旧塗装の4次車(大分)


 かつての4次車は、写真のように、顔色が黄色の他に銀や黒があったが、今は全て青に塗り替えられた。
 先ほど述べた885系らしき車両について説明する。2008年の夏休みの始まりの頃に増備された1000番台で、 4次車(AO‐6〜AO‐8編成)に増結された車両で、これで青いソニックは8編成とも7両になった。 また、編成番号もAO-16〜AO‐18編成に改番された。

 かつてフジテレビ系列で放送されたトリビアの泉では、‘車内に、あのネズミの耳の大群がある’と、 暗に我らのクラブのリーダー、ミッキーマウスの耳に似ていることを示唆するVTRが紹介された。



3. 車両(885系)

 博多から大分間は国鉄時代からにちりんとして同じ区間を走っていたが、2000年に大幅に本数が減り、 翌年には博多発着はなくなり、ソニックはこの時期から1時間に2本となった。
 白いソニックとして、885系が登場した。これも水戸岡鋭治さんがデザインしてブルーリボン賞とブルネル賞、 グッドデザイン賞の3つの賞を受賞した。元々485系かもめの置き換えとして造られていて、 鳥のかもめみたいに白い体と黄色い嘴でデザインされたものである。
 ソニック用は2次車だが、かもめ用の1次車もソニック運用に入っている。もちろん2次車もかもめ運用に入っている。 車内の特徴はグリーン車や普通車も全席革張りで少し高級感がある。
 885系は南福岡車両センターの所属でかもめ用が7編成(SM1〜7編成)、ソニック用が4編成(SM8〜11編成)だったが、 2010年12月からSM4編成・5編成でAROUND THE KYUSYUの塗装になり、ソニック用と同様青いラインになった。



写真6 かもめ色の1次車(中津)





写真7 ソニック色の2次車(別府)





写真8 かもめ色の1次車(中津)



4. 高速バスとの競合



今後高速バスにどう立ち向かうべきか

 九州には特急と同様福岡から様々な都市へ高速バスが運行されている。 ソニック号の通る区間では博多〜小倉間や博多〜大分間で競合が激しくなっている。
 まず博多〜小倉間では毎時3本の特急列車(ソニックときらめき)が運行されており、最速40分で結ばれている。 それに対抗する高速バスは、3系統があり、運行間隔は5〜15分間隔と結構多い。ただし、博多駅前を通ることなく、 天神バスセンターから全便発着する。バスの選択肢だと、鹿児島本線の博多〜小倉間の普通運賃より安いのが強みである。 小倉から博多シティへ行く場合はJRを、天神や西鉄、地下鉄沿線方面に行くなら、高速バスを使うべきだろう。
 次に博多〜大分間では、毎時ソニック2本のみで(久大本線経由でも行ける)、それに高速バスが対抗している。 小倉行きと同様天神バスセンター発着で、毎時約3本で、ソニックと最速2時間の所要時間は変わらない他に、 運賃がソニックより安価でまた、福岡空港国際線ターミナルや鉄輪温泉(別府行のみ)を経由するため、 ソニック側は不利な立場となっているようだ。 ただし、高速バスの通る大分自動車道はほとんどが山間のため天候による速度規制や通行止めが多く、悪天候の日は、 ソニック側に利用者が移る。



5. 乗車制度の特例

 小倉駅折り返す際に、通過となる西小倉を2度も通過していることに気づいているだろうか?しかし心配はない。特例により、 小倉〜西小倉間のキロ数を含めないで運賃計算を行っているが、小倉で途中下車するとその特例が無効になってしまう。 博多〜大分間の営業キロは西小倉の鹿児島本線ホームができてから200.1kmとなって、 ほんのわずかのところで200km越えてしまったが、特例の適用で200km以内に収まるようになった。





 
- 9 -
次のページへ→