←前のページへ | 次のページへ→ |
社会交通工学科1年 0117番 日向 洋 |
私が、電車の車両の中で最初に好きになった形式、それは…、相模鉄道7000系(旧型)である!そんな相模鉄道7000系が 今年、誕生35周年を迎えた。 しかし最近、車両の老朽化も進んでいることもあり、廃車も発生している。 ここでは、相模鉄道7000系について まとめてみたいと思う。 1.相模鉄道7000系グループについて 相模鉄道7000系グループは、1975年から16次にわたり140両が製造された。そのうち、1〜11次車(80両)は「7000系」(写真1)、 12〜16次車(60両)は「新7000系」(写真2)と呼ばれる。 写真1 7000系 (天王町 2007.3.18) 写真2 新7000系旧塗装 (二俣川 2008.9.13) 写真3 新7000系新塗装 (二俣川 2008.8.15) 今回は写真1の形の車両のみ取り上げる。 2.相模鉄道7000系の概要 相模鉄道7000系は、1975年に5100系と同じアルミ車体と新6000系と同じ足回りを採用して登場し、1985年までに80両が製造された。 制御装置は抵抗制御で、起動時加速度は0.69m/s2 (2.5km/h/s、6M4T編成)である。 前面は5100系(5000系)に準じた形となっているが、前面に梯子がなくなったり、ライト等の位置が少し変わるなどしている。 車内について、基本レイアウトは5100系(5000系)と同じであり、オールロングシート、通常の席はオレンジ、優先席は青のシートとなって いるが、スピーカーがダクト内に変更され、網棚に従来の車両は握り棒がつけられていたが、それもなくなっている。 側窓も5100系(5000系)と同じ自動窓を採用しており、7次車と8次車で2回改良が加えられた。これはボタンを操作することで、窓が上下 するが、7次車以降は開閉指令が電気指令式になり、8次車以降は窓を上下させる弁が複動式とし、性能向上が図られたのである(この 自動窓は9000系まで引き継がれたが、10000系以降は引き継がれなかった)。 7710・7125・7126・7510にはかつてヒートポンプ式冷暖房装置が試用されたが、7510は6000系(旧型)の6021冷房改造に伴う関係で、 後者に転用することとなり、1978年に通常の冷房装置に交換された。残りの3両も現在は通常の冷房装置に変更されている。 写真4 自動窓のステッカー 写真5 自動窓のボタン ※加速度について 物理などでは、m/s2 (「メートル毎秒毎秒」または「メートルパーセカンドの二乗」)で表すが、鉄道関係などではkm/h/s(キロメートル毎時毎秒) で表すこともあるため、今回これら二通りで記載した。 3.相模鉄道7000系の車種 @モハ7000形 横浜向きの制御電動車(Mc車)で、7001〜7008までの8両が製造された。 7001・7002はモヤ700形に改造されたほか、2010年に7003が廃車となってしまったため、現在は5両のみ在籍。2010年8月現在、 稼働しているのは7005・7006の2両のみ。 Aモハ7100形 中間電動車(M車)である。40両が製造された。番号が7101〜7148なのは、先述のモハ7000形が製造されたため、7133〜7147 までの奇数番号が欠番になったためである。 3次車以降は海老名寄りに妻面の貫通扉を設置している。 1次車(7101〜7104)は早期廃車が予想されていたためか、妻面に転落防止の外幌が設置されていなかった。現在、1次車は消滅 し、2次車以降しか残っていない。 廃車になったモハ7100形のうち、7134・7136はモヤ700形となった。 Bクハ7500形 海老名向きの制御車(Tc車)である。7501〜7513の13両が製造された。 8次車の7512・7513は横浜寄りの妻面に貫通扉が設置されている。 1次車のうち、7501は早期廃車が予想されていたためか、妻面に転落防止の外幌が設置されていなかった。 現在、1次車は消滅し、2次車以降しか残っていない。 Cクハ7600形 付随車(T車)で7両(7601〜7607)が製造された。この7両は8〜10次車に相当する。なお、7606はオーバーロードの関係で廃車に なってしまったため、現在は6両のみ在籍。 Dクハ7700形 横浜向きの制御車(Tc車)である。7701〜7712の12両が製造された。 1次車(7701・7702)は早期廃車が予想されていたためか、妻面に転落防止の外幌が設置されていなかった。現在、1次車は消滅し、 2次車以降しか残っていない。 4.相模鉄道7000系編成表 2010年8月現在、相模鉄道7000系は以下の編成構成となっている。 表1 相模鉄道7000系編成表(2010年8月現在)
製造当初から2002年頃までは、基本的に10両編成で運行され、モハ7000形-モハ7100形ユニットを外す形で、8両編成にする こともあった。 一方、10000系の増備により、新6000系の廃車が進行したことで、2002年頃にほとんどの編成が8両編成に組み換え、各停の 運用に就くことが多くなった(その後もたびたび、モハ7000形-モハ7100形ユニットを増結し10両編成にした時もあった)。 2009年11月1日のダイヤ改正で、10両編成の運用が増えたことから、ダイヤ改正直前に7708・7709編成がモハ7000形-モハ 7100形ユニットを増結し10両編成となった。このとき、7708編成は現行の7005-7142ユニットを、7709編成は7007-7146ユニット を増結した。その後、11000系の11003編成増備により、7709編成は再び8両編成に戻った。 また、相模鉄道では2015年に東日本旅客鉄道と直通運転を開始するにあたって、保安装置移行に伴うATS-P・デジタル列車 無線の準備工事を進めているが、7000系については、現在7707・7710・7712編成がATS-P・デジタル列車無線の準備工事施工 済みである。 5.運転台と運転台に挟まれた7601 2008年7月頃、7709編成で編成組み換えが行われ、前項に示した表1の通りとなった。これは、7006-7144のところには、2008年 6月頃まで、7103-7104が組み込まれていたが、この2両は1次車であったため、2008年7月頃に休車となり、2008年度に廃車と なったためである。 7503は海老名向きの制御車で、7006は横浜向きの制御電動車であることから、7601は海老名向きの運転台と横浜向きの運転台に 挟まれた面白い車両となっている。 6.相模鉄道7000系の現在の運用 8両編成は基本的に各停の運用に就いているが、現在のダイヤには8両編成で運行される急行・快速があるため、これらの運用に 就く場合もある。 10両編成は、各停から急行まで幅広く活躍している。 7.相模鉄道7000系の廃車状況 2005年4月27日、相模鉄道線星川〜天王町間の天王町第一踏切において、トラックと7707編成の7502が衝突する事故が発生した。 7707-7105-7106-7502の部分は、当時厚木操車場に留置されていた4両と交換され、休車となっていた。7707は2007年に初期車であった 7701と入れ替わる形で運用に復帰したが、7502は足回りの損傷が激しく、2006年度に廃車となった。 また、7105、7106と初期車であった7701、7702、7101、7102、7501も同じ2006年度に廃車されている。 2008年12月14日、相模鉄道線の上星川〜西谷間の下りを走行中に7711編成がオーバーロード(過電流)を知らせる警告が表示されたが、応急 措置により復旧した。しかし、湘南台で折り返し、途中の二俣川で車両振り替えをする予定のところ、緑園都市〜南万騎が原間の上り(万騎が原トン ネル内)を走行中に再度オーバーロードを知らせる警告が表示され、電源を切って、再起動しようとしたが、再起動せず、運行が不可能となった。 7711編成は、690列車(湘南台発「各停 横浜行」、2007年11月3日ダイヤ改正時の運用番号)の運用に就いていたため、後続の692列車 (湘南台発「各停 横浜行」)に連結され、押して二俣川の引込み線に収容するという措置をとった。 原因は断流機の結線部の不具合によるもので、7711編成は7109の床下機器が焼損するなどしていた。これにより、7711編成(8両)が2008年 度に廃車となってしまった。7103、7104も2008年度に廃車となっている。 2010年には、11000系の11003編成の増備により、7706編成(8両)と7003-7138ユニットが廃車となってしまった。 6.相模鉄道7000系の現在の運用 今回、相模鉄道7000系についてまとめようと思ったのは、私が鉄道の車両の中で最初に好きになった車両がなくなりつつあることと、また、今年で 誕生35周年を迎えたからである。相模鉄道7000系には幼い時からよくお世話になっているが、今後も同車の活躍に期待したいと思う。 そして…、相鉄7000系 誕生35周年おめでとうございます! 最後までお読みいただきありがとうございました。 参考文献 ・鉄道ピクトリアル 1986年8月臨時増刊号・2010年7月号 ・私鉄の車両20 相模鉄道 ・「JAPAN RAILFAN MAGAZINE 鉄道ファン」 2010年9月号付録「大手私鉄 車両ファイル」 ・相模ホールディングス株式会社ホームページ http://www.sotetsu.co.jp/
|