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〜 717系200番台・900番台について 〜

社会交通工学科4年 7041番 國生 智

1.前書き

 717系は国鉄民営化前後に急行型電車の車体更新改造によって誕生した車両である。このうち今回は九州南部で活躍した717系200番台と900番台を対象とする。




写真1 クハ716-204




写真2 クモハ717-204




2.製造目的と製造車両

 200番台は国鉄民営化前後における、地方都市部の近郊輸送を客車列車から電車による多頻度運行への変更の過程で誕生した車両である。同時期の同じような目的の車両としては、新造車では115系3000番台、417系、713系など、改造車では413系、419・715系と今回取り上げる717系などがある。
 一方の900番台は日豊本線鹿児島地区における列車遅延防止を目的として1994年度に457系を種車に改造されたものである。
 このうち、717系200番台は2両編成×7本の計14両、900番台は2両編成×1本の計2両であった。



3.車両詳細と特徴

 この電車の特徴としては、@余剰となっていた急行型電車を地方輸送に対応させるために車体の取替えを主に改造が行われた車両である。A同一の形式名ながらも東北地区と九州地区においては、改造種車の性能や編成構成などに異なる点が見られる。などといった特徴がある。
 特に900番台はもともとの457系のクモハとモハのユニットに廃車にしたクハ車の先頭運転台を移設し、かつ車体中央に両開きのドアを設置するという改造を施されている。

 一方、車体新製の200番台は、キハ47や417系などに通じる2扉、セミクロスシート車である。このうち201〜204までは国鉄時代の1986年度下期に改造が施され、205〜207は分割民営化後の1987年度と1988年度に改造が行われている。そのため分割民営化後に改造が行われた後期車では戸袋窓の廃止やロングシートの拡大に伴うクロスシート部の縮小(4人掛け×8→4人掛け×4)などが行われている。また、改造は最初の2編成のみ小倉工場で以後はすべて鹿児島工場で行われている。
 内装は、基本的に同時期に登場した413系や717系0番台と同様であるが、乗務員室とドアまでのスペースが413系ではロングシートになっているのに対し、717系200番台、900番台では大型の暖房装置が搭載されている。この理由は不明であるが、もともと3両で運用されていた車両を2両化したものであるため、暖房設置などのスペースに無理が生じた可能性もある。また、この大型暖房装置は900番台でも同様に設置されている。



4.現状と今後

 2010年度末までに石綿を断熱材として利用する車両を廃止する方針を示しており、そのため475・457系は2007年3月改正で運用を離脱している。一方の717系200番台は走行装置などが475系から引き継がれているため、老朽化による置換えが今後予想される。また2009年10月に宗太郎越えと呼ばれる延岡から佐伯の間の普通列車がキハ220系に置き換えられたことによる運用の減少から、206と901が運用を外れており今後廃車になるものと思われる。
 また、近年朝のラッシュ時間帯に3編成をつなげた6両編成で運行されるものがある。これは鹿児島地区で最長編成の普通列車である。このように長い理由としては、運行される日豊本線にボトルネック区間となる竜ヶ水駅前後の区間があり、増発が困難な中輸送力を確保する方法と考えられる。



5.あとがき

 高校時代に毎朝お世話になった車両であり大変懐かしい気持ちになる。九州新幹線開業時に転入した817系よりも717系のほうが良いという一般高校生は多かったように思う。少なくともドアの数が817系より少ない分、座席定員が多かったのが理由ではあると思うが…。
 鹿児島本線系統ではほとんど見かけなくなってしまったが、まだしばらくは鹿児島の鉄路を元気に走ってくれそうなので、いなくなる前に訪れてみてはいかがだろうか。



6.参考文献

鉄道ジャーナル社 鉄道ジャーナル No.232 1986年5月号
電気車研究会 鉄道ピクトリアル No.619 1996年4月号
電気車研究会 鉄道ピクトリアル No.788 2007年4月号
交友社 鉄道ファン No572 2008年12月号
南日本新聞 2005年7月22日 朝刊


 
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