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3.2 新黒部駅

 黒部川橋りょうより約3km富山方面に進んだところに、新黒部駅が設けられる。新幹線開業時には近接する富山地方鉄道にも新駅が設置され、駅周辺は黒部市が主体となって周辺整備を行う。新幹線12両編成(300m)が停車できるよう、長さ310mの上下線ホームが設けられる。



写真3  2006.9.21 新黒部



写真4  2006.9.21 新黒部



写真5  2006.9.21 新黒部



写真6  2006.9.21 新黒部



写真7  2006.9.21 新黒部


 写真3は、駅の路盤から見た金沢方面への高架橋の様子、写真4は高崎方面への高架橋の様子で、路盤上に丸い突起物があるのがわかる。路盤の上にはスラブマットを敷き、さらにその上にレールを敷くことで軌道(注3)が完成する。このような構造の軌道をスラブ軌道と呼び、バラスト(砂利)が不要なので保守の省力化が図れる。
 また新黒部駅は直線の両脇にホームをそれぞれ設けるシンプルな構造となる。このような方式を対向式ホームと呼び、東海道新幹線の熱海駅や山陽新幹線の新神戸駅などがこれにあたる。これに対し、線路の間に1つのホームを設ける方式を島式ホームと呼ぶ。高架橋は地上から11.5mの高さにあり、ホーム部を含めた幅は23.2mとなる。
 写真5は軌道脇に設けられた通信・電気設備用の溝で、通常の高架橋では片側のみにあるが、駅では両側にある。側壁は写真6のようにホーム屋根につながる部分がまだ骨組みがむき出し状態である。また10mごとに設けられた排水設備を写真7に示す。

(注3)軌道
 レールや枕木、道床など路盤上にある構造物を総称して軌道と呼ぶ。身近な在来線ではバラスト軌道が多い。砂利を敷き詰めて重量を分散させる方式で騒音も少ないが、狂いが生じやすいため保守に手間がかかるという欠点がある。
 これに対しコンクリート上にマットを敷いて直接レールを固定する方式がスラブ軌道である。保守の手間がかからないのが長所であるが、バラスト軌道に比べると騒音や振動が大きくなり、設置コストも高い。新幹線では東海道新幹線がバラスト軌道で建設されたが、山陽新幹線以降スラブ軌道を採用している。







 
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