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3.2 各種改造工事の様子
3.2.1 1000形気動車トイレ設置工事

 1000形気動車は、国鉄から継承した老朽化著しい旧式の気動車を置き換えるために1990年に登場した一般形気動車である。1997年までに56両が製造され、現在は主に高徳線や徳島線、土讃線で使用されている。
 近年では車いす対応の洋式トイレの設置工事が行われており、見学日にはその様子を見ることができた。写真13では車体の一部の窓が埋められているのがわかる。この部分にトイレが設置される。
 のちにこの1056号は、2006年5月に登場した1500形気動車と併結できるよう改造され、新たに1200形1256号となって活躍中である。



写真13  2006.2.28 多度津工場


3.2.2 8000系電車リニューアル工事

 8000系電車は、予讃線の電化区間の拡大に伴い登場した特急形電車である。1992年に試作車が登場し、予讃線およびJR西日本の湖西線での走行試験や臨時列車での営業運転が行われた後、翌年3月の「しおかぜ」「いしづち」への本格導入にあわせて量産車が登場。試作車は予讃線での高速度試験では速度160km/hを記録した。四国初の特急形電車でもあり、2000系気動車に引き続き制御付き振り子機構を搭載している。
 登場から15年近くの歳月が経ったため2004年よりリニューアル工事が行われ、2006年度中には全車両の工事が完了する予定である。車内は落ち着いた木目調になり、グリーン車と普通車指定席の腰掛は難燃木材製のものに交換された。またビジネスマンのニーズに対応するためパソコンテーブルとコンセントも設置している。外観も一新され、シンプルな青ラインから、ドア周りを座席種別によって赤・黄・青と塗り分けるという斬新なスタイルになった(写真14)。リニューアル工事を施工した編成は、2005年度の経済産業省グッドデザイン賞を受賞している。
 見学日はS4編成のリニューアル工事を行っていた(写真15)。写真手前が妻面、奥が先頭部で、仮台車を履きかえ、従来の塗装も剥がされているのがわかる。
 妻面の様子を写真16に示す。振り子式車両では、車体を傾斜させるため建築限界に触れないようすそをより絞った独特の車体断面をしており、2000系気動車も同様である。写真17のキハ40系気動車の妻面と比べると違いがわかる。



写真14  2006.2.28 松山




写真15  2006.2.28 多度津工場




写真16  2006.2.28 多度津工場




写真17  2006.2.28 多度津工場


4 おわりに

 今回JR四国多度津工場を見学し、普段は見られない設備や車両を見ることができ、とても有意義な体験になりました。現場の皆様、お忙しい中ありがとうございました。



写真18  2006.2.28 多度津工場




写真19  2006.2.28 多度津


 見学後、特急「しおかぜ19号・いしづち23号」(写真19)で松山に向かいました。松山到着後卒業生追い出し会を行い、翌朝解散となりました。

−参考−

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「鉄道ファン」(交友社) 関係各号



おわり
 
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