←前のページへ次のページへ→
2006年春合宿 JR四国多度津工場見学報告

物理学科 3年 斎藤 真太郎

1 合宿の概要
1.1 日程

2006年2月27日〜3月1日

1.2 行程

2月27日(1日目)
19:30高松築港駅集合


2月28日(2日目)
朝〜自由行動、各自多度津駅へ移動
12:30多度津駅集合
13:00〜16:00多度津工場見学
17:14特急「しおかぜ19号・いしづち23号」乗車
19:11松山駅到着
21:00〜23:00卒業生追い出しコンパ


3月1日(3日目)
解散


1.3 参加人数

1年生3名、2年生8名、3年生2名、4年生5名(学年は当時)


2 JR四国多度津工場について

 1889年、四国では伊予鉄道に次ぐ2番目の鉄道として讃岐鉄道が開業し、車両修繕場として発足したのがはじまりである。1904年に山陽鉄道に買収された際に多度津工場と名称を変更し、1906年には国有鉄道法により国有化されて逓信省鉄道作業局に編入された。
 国鉄は1950年代後半に入ると動力近代化に乗り出し、非電化区間には積極的にディーゼル機関車や気動車を導入した。1957年にはDF50形ディーゼル機関車が登場し、これに伴い多度津工場でも翌年より同形の定期検査を開始する。一方で蒸気機関車は次第に数を減らし、1969年には蒸気機関車の定期検査を終了している。長い間四国の国鉄線には電化区間がなかったことから、主にディーゼル機関車や気動車の修繕を担当することになる。
 そして1987年の国鉄分割・民営化により四国旅客鉄道(JR四国)が発足、その直前には予讃線(高松〜坂出・多度津〜観音寺)、土讃線(多度津〜琴平)が電化されたことにより、電車の修繕も開始し現在に至る。
 同工場ではJR四国の保有する車両(ディーゼル機関車・電車・気動車・客車・貨車)の検査・改造を行う他、土佐くろしお鉄道が保有する車両の受託検査も担当し、その車両総数は400両余にのぼる。また工場内にはC58形蒸気機関車、DE10形ディーゼル機関車、DF50形ディーゼル機関車、ロ481号客車、0系新幹線電車の計5両が保存車両として保管されている。


3 主な見学内容
3.1 車両の定期検査の様子

 車両の定期検査は、車種によって多少異なる場合もあるが、入場〜車体上げ〜遷車作業〜各作業場での検修(台車・制御機器・モーター・エンジン・車輪等)〜部品取り付け〜落成検査〜試運転〜出場という工程で行われる。主に車両工場で扱う重要部検査や全般検査は、国土交通省の省令で点検期間のサイクルが規定されている。

3.1.1 121系電車

 121系電車は、国鉄最末期の1987年3月、予讃線と土讃線の一部区間電化にあわせて登場した電車で、2両編成×19本の38両が製造され、現在も全車両が活躍中である。車体はステンレス製の近代的なもので、近年まで山手線で活躍していた205系電車に似たスタイルである。製造時は国鉄の財政事情が悪かったこともあり、新製費用を抑えるため廃車車両の部品を多く流用している。高松方の制御電動車はクモハ121形、琴平方の制御車はクハ120形である。



写真1  2006.2.28 多度津工場




写真2  2006.2.28 多度津工場




写真3  2006.2.28 多度津工場




写真4  2006.2.28 多度津工場




写真5  2006.2.28 多度津工場


 写真1は、クハ120-16の車体上げ作業の様子である。





 
- 9 -
次のページへ→