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次はいよいよ岩泉線である。宮古駅に停車していたキハ52系はいかにもといった感じで岩泉線の気動車という雰囲気を出していた。茂市まで山田線を走り、岩泉線に入る。この路線が赤字ローカル線にも関わらず廃止されなかったのは並行道路の整備が遅れていたからだそうだが、なるほどたしかに並行道路など無いに等しい。それもそのはず、この路線は本来の往来の軸と大きく外れているからである。どういう経緯でこのような路線選定になったのか分からないが、鉄道を敷くのであれば、先程三陸鉄道で通った小本と盛岡を結ぶ街道沿いにするべきである。実際現在でも人の流れはそっちである。沿線は陸の孤島という言葉が本当によく当てはまるような山間の寂しい地域であったが、峠を越えて岩泉町内に入ると街道軸なので活気があるように見えた。さすがに1日に3本しかないので、結構な乗車率を保ったまま、終点の岩泉に着いた。 岩泉駅は風情のある駅だった。古い気動車と非常によくマッチしている。線路は駅の少し先まで延びていて、どこで途切れているのか分からないので、この先もあるのではないかという錯覚を覚えた。このまま小本に通じていたらもっと利用者も居ただろうに残念である。多少時間があったので夕食の調達も兼ねて町内を散策した。古き良き時代の駄菓子屋などいろいろと発見があった。乗り遅れたら一大事なので余裕を持って駅へ戻った。 折り返し茂市へ戻り、山田線に乗り換えた。辺りはすっかり暗く、過疎地域を走っているのでほとんど何も見えない。2時間程で今朝の出発地盛岡へ戻って来て、東北本線に乗り換えた。暗いので特に何も見るものはないが、この列車は北上行きで、花巻で降りるつもりなので寝ないように頑張った。花巻着。 ここまで読んで気づかれた方も居るだろうが、いろいろと日本海側や太平洋側に出てはいるが宿泊地はすべて無難に東北本線沿いを選んでいる。それは安い宿泊施設を探せそうな事もあるが、町以外だとそもそも宿泊施設自体が無い事も考えられるからだ。もちろん駅寝するならむしろ田舎の方が良いのだろうが、それはなるべく避けた。花巻では風呂とサウナの施設で、宿泊も可能、青森のカプセルホテルより安いという素晴らしい施設を見つけたのでそこに泊まった。そこでこの施設を頻繁に使っているという年配の方と出会い、旅の話などをして過ごした。 |
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