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BUS TOPICS
〜日本で活躍する外国製のバスたち〜

社会交通3年 清水 駿太



 鉄道愛好会なのになんでバス?と思う方もいるかもしれません。しかし、同じ公共交通として鉄道とバスは切っても切れない関係にあるのです。そんな相棒であるバスにもたまには目を向けてみようではありませんか。

 さて、今回の話題はズバリ「日本で活躍する外国製のバスたち」です。街中を見回してみれば、ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン・・・etc.といった様々な外車が数多く走り回っています。こんなのはみなさん誰でも知っていることですね。じゃあ、バスにも外車があること、知ってましたか?普通の人はまず思い浮かばないでしょう。今回はそんな地味〜な存在である外国製のバスを取り上げてみたいと思います。


1.観光・高速バス編


・ネオプラン(ドイツ)製バス

 1)スカイライナー
 日本に輸入された外国製バスで最も多いのがドイツのネオプラン社が製造したバスです。デザイン性に優れたスタイリッシュな外観が特徴で、高級なバスとして好まれています。そのネオプラン社が製造する二階建てバスが「スカイライナー」です。ガラスが屋根の下でカーブしていて、さらに柱が斜めになっているのがネオプラン社製バスの多くに共通する特徴です。この「スカイライナー」は外国製バスを代表する存在で、先々代のモデルは日本初の二階建てバスとして輸入されて注目を集めました。以降、全国の観光バス事業者に好んで導入され、1980年代の二階建てバスブームを引き起こすきっかけともなりました。現在は廃止されてしまいましたが、上野と浅草を結んでいた赤い二階建てバス、あれも「スカイライナー」の一種です。


↑大阪市が定期観光バスとして運行するスカイライナー「にじ2号」


 以前、上野−浅草間で赤い二階建てバスが運行されていました。運行終了後、バスは他社へ引き取られて第二の人生を送っていましたが、最近になってそのうちの3台は二階の屋根を取り払うなどの改造が施され、東京をめぐる新たな観光バス「スカイバス東京」として生まれ変わりました。オープンバスと呼ばれる屋根のないバスは欧米を中心とする世界各地で観光用として運行されていますが、日本では初となります。

スカイバス東京に関してはこちら


↑屋根を取り払う改造を行って誕生したスカイバス東京



 2)メガライナー
 日本では、バスの全長は単体では12mまでと規定されていました。そのため、高速バスの車両は規定のサイズに収まるようギリギリまで大きくなっています。ところが最近、この規定を上回る長さのバスが登場しました。それが、東京駅とつくばセンターを結ぶ高速バスに使用される「メガライナー」です。このバスは単体では日本最長となる全長15mの二階建てバスで、座席数は84席となっており、普通の高速バス(42席)の二倍の定員を誇ります。

メガライナーに関してはこちら


↑単体では日本最長のバスとなるメガライナー


↑全長が長いため、後部には注意書きがあります


 このバスが走る東京駅−つくばセンター線は10分間隔で運行され、日常的に積み残しが発生する極めて利用客の多い路線です。このバスは2台分の乗客を1台で運ぶことができ、運行コストの削減や効率化、環境への配慮という点で従来のバスよりも優れています。JRバス関東と関東鉄道で2台ずつ導入されました。


↑桁外れの輸送力でラッシュ時に威力を発揮します


↑関東鉄道でも同じ車両を運行しています



・バンホール(ベルギー)製バス

 アストロメガ
 上記のネオプランに続いて二番目の二階建てバスとして登場したベルギー製のバスです。1982年と1997年の2回にわたって輸入され、はとバスでも導入されました。


↑はとバスが運行するアストロメガ



 はとバスが2台保有するアストロメガは現在はキティちゃんのラッピングが施され、ハローキティバスとして運行されています。外装はピンクと銀色の2種類があり、ランダムで運行されます。

ハローキティバスに関してはこちら


↑ハローキティバスのピンクバージョン



・ドレクメーラー(ドイツ)製バス

 メテオール
 はとバスを中心に導入された二階建てバスです。1982年に初めて導入され、近年は1993・94年にも導入され、はとバスには計5台が在籍しています。前輪上の太い柱が外観上の特徴です。


↑はとバスではおなじみの存在となっているメテオール



・日産ディーゼルフィリピン(フィリピン)製バス

 ユーロツアー
 日本で大型バスを製造する日産ディーゼルがベルギーのヨンケーレ社と共同で1991年にフィリピンに設立した日産ディーゼルフィリピンが製造したバスです。ヨンケーレ社のバスをベースに日本向けに改良を施し、低価格を武器に1996年に販売を開始しました。リムジンバスを運行する東京空港交通が積極的に導入しましたが、品質や生産能力などの問題から全体的にはあまり伸びず、2000年に製造が中止され、日産ディーゼルフィリピンも2001年に解散となりました。


↑低価格という魅力からリムジンバスが好んで導入しました



 
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