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 9/8(水) 東日本フェリー(青森港16:30ごろ→函館港20:10ごろ)

 台風は一晩のうちに去ったが、函館港に少し被害が出ており、昼になっても動き出す気配はなかった。ターミナルの人に、電車の方がたぶん早いと言われたので、私は再び青森駅へ戻った。フリーきっぷの方が9日使用開始なので、9日に使用開始できない事態だけは避けたかったからだ。だが、JRの方も依然ストップしたままだった。仕方なくちょうどお金を下ろしたかったのもあったので青森市内を散策した。駅に戻ってみても、やはりまだJRは止まっていた。何度かフェリーターミナルの方には電話していたのだが、この時だめもとでもう一度電話してみると…「ただ今積み込み中です」との事。まさか青森駅とフェリーターミナルの間を1往復半する事になるとは思わなかった。ともあれ、ようやく動き出すのである。車輌は台数に制限があり、何便後に乗れるかわからないような状況だったが、旅客のみはすぐにでも乗れる。とりあえず暫定的に臨時ダイヤで動くとの事だった。
 売店ありレストランあり風呂ありで結構豪華な船だった。だが、台風後の大しけで船がかなり揺れる事が予想されるため、出発後すぐに閉店するとの放送が流れた。実際、青森側も函館側も内湾のうちは良かったが、津軽海峡はひどかった。揺れるに揺れて船はぎしぎしいうし、ドーンと思いっきり音が響いていたりした。だが、船長がかなり頑張った事もあって、当初30分遅れると言われていたのだが、所定時間の約3時間40分で午後8時ごろ函館港に到着した。辺りはすっかり暗くなっていた。
 ようやく北海道入りである。夕食を済ませ、函館駅まで歩くべく、函館市内の道を進んで行ったのだが、街は明らかに異変が起こっていた。台風による停電で、町中の電気が消えゴーストタウンと化していた。信号や自動販売機まで電気が消えていた。コンビニも、発電機を使ってなんとか営業しているなど、すごい状況だった。

9/9(木) 函館本線・室蘭本線・千歳線
函館8:14→11:01(約1時間遅れ)森11:39―(特急スーパー北斗7号)→14:17札幌22:25―(特急オホーツク9号)→5:16北見

 台風は抜けたものの、ダイヤは大幅に乱れる様相であった。だが、特急列車の走る路線を優先的に回復させ、また優先させて走らせたため、特急列車に関してはほぼ正常に戻りつつあった。普通列車はいつ発車するのか分からない状態で、私はまず普通列車で渡島大野・渡島砂原を経由していくつもりだったため、持っているグリーン券は函館発3本目となるスーパー北斗7号のものであった。普通列車は動かないし、ダイヤが不安定なのと、札幌で少し用事ができた事もあって、早々に札幌に行ってしまおうと考えた。それでホームに行ってみたのだが、前日ずっと止まっていた影響で、始発の特急スーパー北斗1号の自由席は既に長蛇の列だった。指定席はとうに売り切れていたため、たった2両分しか無い自由席車両を狙うしかないのだ。ところがいざ列車が入ってくると、驚いた事にほとんどの車両の方向幕が「自由席」になっていた。当然のように列はばらけて本来指定席車両であるはずの所に短い列がいくつもできた。私も、列の結構後ろの方だったので別のドア付近に並んだ。ところが…無事乗って座れた直後、信じられない事に、座席の変更は無い旨の放送が流れた。後で別の乗客の噂話を聞いたところでは、単純に車掌が方向幕を間違えたのだそうだ。こんな大変な時に間違えるなんてあるのだろうかと呆れつつ、流された自分も悪いので何とも言えない。結局、乗れたとしてもこれだけの客が自由席2両に押し込まれたら身動きすら取れないし、ちょうど3年のM田さんが函館駅に到着したとの事だったので、この列車は見送る事にした。M田さんの方は函館港に程近い五稜郭駅に早朝到着して、乗る予定の普通列車を待っていたものの、いくら待っても来ないので、一旦函館に引き上げたとの事だった。私より一日遅れで出発して、台風の後を追いかけて、ここで私に追いついた形だ。M田さんと話し合い、ちょうど動きだす事になった普通列車で、北を目指す事にした。
 
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