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〜 西武池袋線の列車 〜

交通システム工学科1年 3095番 M.T.

1. はじめに

 私の家の最寄り駅は清瀬駅である。昔は秋津駅に近いところに住んでいたので、幼いときから池袋線を利用してきた。したがって、よく使う西武池袋線について書く。
 池袋線の設備として、池袋〜練馬間が複線で練馬〜石神井公園間が複々線で、石神井公園〜飯能間が複線、飯能〜吾野(〜西武秩父間)が単線であり、全線DC1500Vで電化されている。また、練馬で池袋方面に西武有楽町線が、飯能方面に豊島線が、所沢駅から池袋方面の秋津駅手前まで西武JR連絡線が、西所沢駅の飯能方面に狭山線が分岐している。
 池袋線は、元々1915年(大正4年)4月15日に池袋〜飯能間に開業した、武蔵野鉄道武蔵野線だった。その後1927(昭和 2)年10月15日に豊島線(練馬〜豊島〈現豊島園〉)が、1929(昭和 4)年5月1日に狭山線(西所沢〜村山公園〈現西武球場前〉)が、 同年9月10日に飯能〜吾野間が開業した。その後、1945年(昭和20年)9月22日新宿線系統の(旧)西武鉄道と武蔵野鉄道、食糧増産と合併し、西武農業鉄道になり、翌年、西武鉄道に改称した。そして、1994年(平成6年)12月7日西武有楽町線小竹向原〜新桜台間が開業し、1998年(平成10年)池袋線と営団地下鉄(現、東京メトロ)有楽町線とが西武有楽町線経由で相互直通運転を開始した。また、2008年(平成20年)東京メトロ副都心線の開業と同時に相互直通運転を開始し、2013年(平成25年)3月16日に副都心線経由で東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線と相互直通運転を開始した。江古田付近〜大泉学園付近までの高架化、練馬〜石神井公園間の複々線化は1987年(昭和62年)12月10日の富士見台〜石神井公園間の連続立体工事完成から始まり、2013年9月現在、大半が終わり、石神井公園〜大泉学園付近の下り線が高架化がまもなく行われる。
 このレポートでは、列車種別と西武の車両について書く。


2. 今の西武池袋線の自社車両

2-1. N2000系(2両×7本、4両×4本、8両×12本)



写真1 2000系

音声1 N2000系の走行音

 はじめは新宿線の西武新宿〜上石神井間の混雑改善用車両として登場した初の4ドア両扉車である。この頃の車両はスカートが無く、顔が今もすべて新宿線(検査や臨時列車、臨時の交代のどの場合を除く)で活躍している車両のタイプで、窓の構造も違い、戸袋窓も無かった。前面が101系のように非貫通2枚窓ではなく、貫通ドア付きの3枚窓になっている理由は、登場時、西武新宿線の上石神井〜新宿(西武新宿ではなく、国鉄(現、JR)新宿駅のこと)間に地下急行線を建設し、混雑を減らそうとしていた為だ。結局この地下急行線は建設されず、この貫通扉のみに残った。この前面タイプは、同様な車体の新2000系、9000系へと続いていく。
 N2000系は1988年に登場し、その後池袋線にも投入された。前面の種別・行き先表示機周辺を黒塗りにした。
 制御方式は界磁チョッパ制御(モハ2097・モハ2098はVVVFインバータ制御。この機器は元々101系が試験のために載せていたもの)である。
 編成は2両編成がクモハ+クハでクモハにパンタグラフを2基乗せている。今のところすべて方向幕である。4両編成がクモハ+モハ+モハ+クハで今は3両目にパンタグラフを乗せている。2両編成にモハユニット1つを組み込んだようなものだ。昔はクモハにもパンタグラフを2つ乗せていた。なぜ先頭車の片方がクモハなのかと言うと、8両編成とMT比を同じにするためにそのようにしていたためである。最近、狭山線用として池袋線にも配置されるようになった。6両編成はクハ+モハ+モハ+モハ+モハ+クハである。新宿線に配置されており、池袋線には走っていない。8両編成はクハ+モハ+モハ+モハ+モハ+モハ+モハ+モハ+モハ+クハで各駅停車運用以外の場合、ほとんどが2連と連結して運転される。


2-2. 3000系(8両×3本)



写真2 銀河鉄道999塗装

音声2 3000系の走行音

 2000系を製造した後、2000系で初採用したチョッパ制御が使いやすかったのか、池袋線投入用に2000系の下回りと301系の車体に少し手を加えたような車体を乗せた車両が3000系である。西武鉄道車両で最初に側面に、電動幕式種別・行き先案内装置を装備した車両である。国分寺線用として6連化され、新宿線に配置された車両もある。2009年5月1日から3011編成に「銀河鉄道999」のラッピングを施して、2010年7月から2014年7月までの予定で3015編成が西武ライオンズの紺色ラッピングが施した「L-Liner」がある。どちらもドアまでラッピングされた大胆なラッピング車である。
 制御方式は界磁チョッパ制御である。
 編成はクハ+モハ+モハ+モハ+モハ+モハ+モハ+クハである。


2-3. 4000系(4両×12本)



写真3 4000系・E31系

 1988年デビュー。秩父鉄道直通用や、飯能〜西武秩父間の車両改善の為に101系などの機器を流用して作られた。寒冷地対策、トイレ、半自動式のドア、行先別に案内放送ができる分割放送なども装備している。主に池袋線・西武秩父線飯能〜西武秩父間の各駅停車で走り、他に土曜・休日は池袋発快速急行長瀞・三峰口行き2本と、長瀞・三峰口発急行池袋行き2本に2編成連結して運転される。
 編成はクハ+モハ+モハ+クハの4両で、池袋・西武秩父方向のクハにトイレがある。


2-4. 6000系(10両×23本)



写真4 池袋線の6000系

音声3 6000系の走行音

 練馬から地下鉄線方面への直通を目的として1992年に登場した西武初の本格的なVVVFインバータ制御の車両である。車体が0番台はステンレス製でこれは6000系のみである。50番台はアルミ合金製で58番編成以降は戸袋窓を廃止している。第1編成・第2編成は他の編成と運転台の構成が異なっている。2011年の副都心開業前から、第3編成以降の編成を対象に副都心線直通改造工事が行われた。主な内容としては、ATO機器取り付け、側面表示器の種別部がフルカラーLEDか行き先部が白色LED化、前面種別窓の使用停止が行われた編成の前面が白色に塗られたことである。
 編成はクハ+モハ+モハ+サハ+モハ+モハ+サハ+モハ+モハ+クハである。


2-5. 9000系(10両×8本)

音声4 9000系の走行音

 1993年、101系初期車の更新用として、下回りは101系の機器を流用し、車体は外観が新2000系、内装が6000系という構成で、西武所沢工場にて制作された。この車両は先にクハ+モハ+モハ+クハという構成で制作され、主に狭山線に投入された。後に中間車6両が製作され、組み込まれた。この様に製作を分割して行ったのは、西武所沢工場の製作能力によるものである。
 2003年から、東急車両(現、総合車両製作所)にてVVVF制御化改造を行った。これは車両を省エネにするだけでなく、101系の足まわりをそのまま流用していたため、更新が必要になったためで、必要最小限の機器のみ交換し、交換した機器も20000系や10012編成と機器を共通として、パーツを共通化してある。
 現在の編成は、クハ+モハ+モハ+サハ+モハ+モハ+サハ+モハ+モハ+クハである。


2-6. 10000系(7両×7本)



写真5 10000系レッドアロー

 1993年デビュー。初めは新宿線の特急運転開始用として先に新宿線に導入された後に、5000系交代用として池袋線に導入された。5000系よりシートピッチが広くなり、6両のままだと座席数が減少してしまうため7両編成にし、座席数を確保した。
 2011年の西武秩父線の開業50周年を記念して第編成が5000系と同じ色を使い、デザインを10000系に合わせた「Redallow Clasic」が登場した。
 第1編成〜第11編成までが抵抗制御で、第12編成のみ20000系と同じVVVFインバータ制御で抑速ブレーキも無しになっている。
 編成は、クハ+モハ+モハ+サハ+モハ+モハ+クハである。


2-7. 20000系(8両×4本、10両×3本)



写真6 20000系列車

音声5 20000系の走行音

 2000年2月デビュー。101系初期車置き換え用として登場した。西武最初の日立製作所製「A-Train」である。車体はアルミ製で大幅な軽量化を実現し、走行音も減少させている。また西武鉄道の車両としては初めてワンハンドルマスコンや、LEDによる車外の種別・行先表示を採用した。また、8両編成は50番台に分けられている。
 編成は10両編成がクハ+モハ+モハ+サハ+モハ+サハ+サハ+モハ+モハ+クハで8両編成がクハ+モハ+モハ+サハ+サハ+モハ+モハ+クハである。


2-8. 30000系(2両×4本、8両×7本(他に新宿線と合わせて10両×6本、8両3本導入予定))

 2008年4月デビュー。再出発した西武鉄道として最初の車両であり、「Smile Train」の愛称が付けられている。今までの西武車両よりもさらに丸っこくなった。車両のデザインには女性社員や他の部署の社員の声を取り入れ、「たまご」の形を前面やつり革、車両間のガラスドアの目印などに使われている。初めて15インチLCDによる情報提供や、裾絞り車体、ガラス製貫通ドア、全自動空調装置など新しいことも導入している。


3. 西武池袋線の種別

3-1. 今走っている種別

3-1-1. 特急

 池袋線で定期に走っている最速の種別。車両は10000系のみで運転され、有料である。名前は「ちちぶ」「むさし」「ドーム」の3つがある。「ちちぶ」が池袋〜西武秩父間、「むさし」が池袋〜飯能間、「ドーム」が池袋〜西武球場前間を走っている。「むさし」は、9月頃の巾着田で曼珠沙華の見頃には西武秩父まで延長運転されるものもある。「ドーム」は西武ドームでプロ野球の試合があるときに運転される。よって「ドーム」はまた、「国際バラとガーデニングショウ」が開催されている期間に、「ローズエクスプレス」として運転されていたが、最近は、「ドーム」として運転されている。
 停車駅は池袋・所沢・入間市・飯能・横瀬・西武秩父である。他に臨時停車駅として、「ドーム」が停車する西武球場前、夏休みなどのレジャー期間には芦ヶ久保、9月の巾着田で曼珠沙華の見頃には麗、11月3日の入間航空祭開催時に稲荷山公園がある。


3-1-2. 快速急行

 2013年3月16日のダイヤ改正で最も大きな変化があった種別である。ダイヤ改正以前には、池袋行きが1時間に1本ほど走っていたが、改正後は1時間に2本副都心線に直通するものが走っている。平日の朝に、有楽町線発の列車が2本ある。また土曜休日には、朝に秩父鉄道直通の下り列車のみ2本走っている。車両は地下鉄線直通運転列車が、6000系、東京メトロ7000系・10000系、東急5050系・4000系・5000系、横浜高速Y500系を使用し、秩父鉄道直通運転列車が4000系を2本併結して運転され、横瀬にて解結し、三峰口行きと寄居行きに分かれる。この内、寄居行きの場合は西武秩父駅は通らず、直接、御花畑駅へ向かう。
 停車駅は池袋・(練馬)・石神井公園・ひばりヶ丘・所沢・小手指・入間市・飯能・飯能から先の各駅に停車する。かっこ内は地下鉄線直通列車のみ停車する。


3-1-3. 急行

 急行は、所沢までの速達列車としてポピュラーである。大体の列車がひばりヶ丘にて各駅停車と接続する。また、2013年3月16日のダイヤ改正にて、土曜休日の夕方に秩父鉄道から直通する快速急行が格下げされ、急行列車で走っている。車両は秩父鉄道からの直通列車は4000系を使用し、それ以外は10000系・4000系以外の池袋線の車両を使用する。
 停車駅は池袋・石神井公園・ひばりヶ丘・所沢・所沢から先の各駅に停車する。


3-1-4. 快速

 快速はほとんど副都心線方面に直通する列車として走っている。副都心線に直通する場合、副都心線内は大抵は急行運転になる。
 停車駅は池袋・練馬・石神井公園・ひばりヶ丘・ひばりヶ丘から先の各駅に停車する。


3-1-5. 準急

 池袋始発、地下鉄線からの直通列車ともに用いられている。夕方には池袋始発で、練馬で快速に接続する列車もいる。
 停車駅は池袋・練馬・石神井公園・石神井公園から先の各駅に停車する。


3-1-6. 通勤急行

 朝に上り5本のみ運転される、千鳥停車を行っている西武として特徴的な種別である。
 停車駅は所沢までの各駅と東久留米・保谷・大泉学園・石神井公園・池袋である。


3-1-7. 通勤準急

 2013年3月16日のダイヤ改正で上り列車のみとなった種別である。
 停車駅は大泉学園までの各駅と練馬・池袋であり、準急の停車駅マイナス石神井公園である。


3-1-8. 各駅停車

 名前の通り、各駅に停車する種別である。2013年3月16日のダイヤ改正までは飯能行きが無かったが、この改正で作られた。この場合、池袋〜飯能間は1時間以上かかる。


3-2. 廃止された種別

3-2-1. 区間準急

 地下鉄線方面の列車が増えたことにより廃止された種別。ダイヤが乱れたときなどに区間準急とアナウンスされないが、準急として池袋を出発し、中村橋・富士見台・練馬高野台を臨時停車駅として実質的に運転されることがある。3000系などの回る幕が交換された時に、以前は区間準急と表示されていたが、色が変更され、幕が残った。
 停車駅は池袋・練馬・練馬から先の各駅。


参考文献
  • 曽根悟:「歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄14号西武鉄道1」、朝日新聞出版、2010年
  • 西武鉄道:「電車図鑑」、http://www.seibu-group.co.jp/railways/smile/zukan/、2013年9月参照
  • 西武鉄道:「100年アニバーサリー」、http://www.seibu-group.co.jp/railways/100th/、2013年9月参照
  • 編成中:「西武車両編成表」、http://www.geocities.jp/number_of_formation/save-formation.html、2013年9月参照



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