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交通システム工学科1年 3003番 K.A. |
1. 概要 JR武蔵野線とは、神奈川県横浜市鶴見区の鶴見駅から千葉県船橋市の西船橋駅を結ぶ東日本旅客鉄道の鉄道路線である。このほかに、多数の支線を持つ。但し、旅客列車が運転されているのは、府中本町−西船橋間のみである。ほぼ全ての列車がJR京葉線と直通運転を行っており、JR武蔵野線の車両が使用されている。そのため路線図や乗換案内では、西船橋−海浜幕張間、東京−西船橋間もJR武蔵野線として扱っている。もともとは貨物線として建設されたが沿線の生活路線となり、近年旅客列車の増発が行われている。ラインカラーはオレンジバーミリオン(■)である。全線が「電車特定区間」、「東京近郊区間」に含まれており、Suicaが使用できる。 2011年度の国土交通省発表による調査において、JR武蔵野線は最大187%の乗車率(東浦和⇒南浦和間)であると発表された。これは日本の鉄道の混雑率の中で上位10位内に入る数字となっている。 2008年3月31日に発表されたJR東日本の「グループ経営ビジョン2020−挑む−」において、JR武蔵野線は「東京メガループ」に指定された。私鉄と多くの乗換駅を持つ東京の環状線として、今までより脚光を当てるとしている。 2012年1月22日に新鶴見信号場〜西船橋間の全線に東京圏輸送管理システム(ATOS)が導入された。2016年度にJR京葉線にも導入され、更なる安定輸送が確保できる。 写真1 ATOS導入前の府中本町駅3番線の電光掲示板 写真2 ATOS導入後の府中本町駅3番線の電光掲示板 2. 新駅について 先述の通り、JR武蔵野線はもともと貨物線として建設されたため、旅客駅が順次開業している。国鉄分割民営化後も、1998年に東松戸駅、2008年に越谷レイクタウン駅、2012年に吉川美南駅が開業した。なお、今後新駅の設置は予定されていない。 動画1 2012年3月17日に開業した吉川美南駅 3. 運行形態 2013年3月16日現在、定期列車は後述の「むさしの号」、「しもうさ号」を含めて全て各駅に停車する。2013年3月15日までは、「武蔵野快速」という種別があった(但し府中本町−西船橋間は各駅に停車)。 写真3 「武蔵野快速」が運行されていた頃の東京駅地下京葉ホームの電光掲示板 3-1. 各駅停車 図1 各駅停車の停車駅 すべての駅に停車する種別である。 データイムは1時間あたり約6本、府中本町−西船橋間の全区間で運行されている。下り列車は西船橋からJR京葉線に直通し、南船橋ゆきと東京ゆきが交互に運行されている。なお、データイムの海浜幕張駅までの直通運転はないので、新習志野駅、海浜幕張駅を利用するには南船橋駅でJR京葉線に乗り換える必要がある。 朝夕ラッシュ時は1時間あたり約14本運行されている。車庫のある新習志野駅、東所沢駅始発・終着の列車も多い。JR京葉線に直通しない列車も数少ないが存在する。 3-2. 「むさしの号」 図2 「むさしの号」の停車駅 八王子−大宮間(一部は府中本町−大宮間)で運行されている。国立−新小平間は国立支線、西浦和−別所信号場間は大宮支線を経由する。朝夕ラッシュ時に、大宮方面4本、八王子方面3本運行されている。各駅停車と同じ車両が使用されているので、乗り間違いに注意が必要である。 写真4 「むさしの号」 3-3. 「しもうさ号」 図3 「しもうさ号」の停車駅 大宮−海浜幕張間で運行されている。別所信号場−武蔵浦和間は西浦和支線を経由する。朝夕ラッシュ時に3往復運行されている。武蔵浦和−海浜幕張間は電車扱いとなる。また、海浜幕張発新習志野ゆきの「しもうさ号」が1日1本存在することはあまり知られていない。これは、新習志野駅に隣接する京葉車両センターに車両を回送するためである。「むさしの号」と同様に、各駅停車と同じ車両が使用されているので、乗り間違いに注意が必要である。 写真5 「しもうさ号」 写真6 海浜幕張駅2番線に停車中の「しもうさ号」新習志野駅ゆき 4. 使用車両 2013年3月16日現在、京葉車両センター所属の205系、209系が使用されている。いずれも8両編成である。車両による運用の違いはない。 写真7 205系 写真8 209系 5. 駅名対照表 |
番号 |
表示 |
備考 |
番号 |
表示 |
備考 |
||||
1 |
回送 |
38 |
武蔵野線 |
⇔ |
海浜幕張 |
||||
2 |
臨時 |
39 |
武蔵野線 |
⇔ |
南越谷 |
||||
3 |
試運転 |
42 |
武蔵野線 |
⇔ |
新松戸 |
D) |
|||
28 |
武蔵野線内各駅停車 |
⇔ |
快速:東京 |
A) |
45 |
しもうさ号:海浜幕張 |
|||
29 |
武蔵野線 |
⇔ |
東京 |
B) |
46 |
しもうさ号:新習志野 |
|||
30 |
武蔵野線内各駅停車 |
⇔ |
快速:東所沢 |
A) |
47 |
しもうさ号:南船橋 |
E) |
||
31 |
武蔵野線 |
⇔ |
東所沢 |
48 |
しもうさ号:西船橋 |
||||
32 |
武蔵野線内各駅停車 |
⇔ |
快速:府中本町 |
A) |
49 |
しもうさ号:大宮 |
|||
33 |
武蔵野線 |
⇔ |
府中本町 |
84 |
武蔵野線 |
⇔ |
吉川美南 |
F) |
|
34 |
武蔵野線 |
⇔ |
快速:西船橋 |
C) |
96 |
むさしの号:八王子 |
|||
35 |
武蔵野線 |
⇔ |
西船橋 |
97 |
むさしの号:府中本町 |
||||
36 |
武蔵野線 |
⇔ |
南船橋 |
98 |
むさしの号:東所沢 |
G) |
|||
37 |
武蔵野線 |
⇔ |
新習志野 |
99 |
むさしの号:大宮 |
||||
※灰色は定期運用なし ※JR武蔵野線に関連あるもののみ掲載 |
A) 先述の通り、2013年3月15日までは「武蔵野快速」が運行されていたため、表示されていた。 B) 2013年3月15日までは輸送障害時のみ運行する、珍しい運用であった。 C) 東京ディズニーリゾートの繁忙期に、東京−西船橋間で臨時増発が運行された際に表示していた。「武蔵野快速」廃止のため現在では見られない。 D) 中山競馬場開催時に、新松戸−西船橋間で臨時増発が運行された際に表示していた。現在では、吉川美南−西船橋間での臨時増発となっており見られない。 E) 輸送障害時に表示されるものだと思われるが、現在までに一度も表示(運行)されたことがない。 F) 先述の通り、中山競馬場開催に伴う臨時増発の他、輸送障害時に表示される。 G) JR中央線快速電車での大規模工事が行われた際に表示(運行)された。 6. 発車メロディー |
駅名 |
上り |
下り |
府中本町 |
メロディー |
|
北府中 |
Gota del Vient |
ハイイチ |
西国分寺 |
||
新小平 |
||
新秋津 |
||
東所沢 |
||
新座 |
鉄腕アトム |
|
北朝霞 |
スプリングボックス |
メロディー |
西浦和 |
||
武蔵浦和 |
||
南浦和 |
メロディー |
高原 |
東浦和 |
スプリングボックス |
メロディー |
東川口 |
||
南越谷 |
||
越谷レイクタウン |
||
吉川 |
||
吉川美南 |
||
スプリングボックス |
||
新三郷 |
メロディー |
|
三郷 |
スプリングボックス |
メロディー |
南流山 |
パシフィック |
SF22-14 |
新松戸 |
瞬く街並み |
すすきの高原 |
新八柱 |
秋桜 |
南風の行方 |
東松戸 |
光と風と |
シンコペーション |
市川大野 |
くるみあそび |
sunny islands |
船橋法典 |
遠い青空 |
朝の静けさ |
西船橋 |
スプリングボックス |
星空の下 |
雪解け間近 |
すすきの高原 |
イ) 新座駅は、ご当地メロディー「鉄腕アトム」が導入されている。しかし、高田馬場駅とは音色やテンポが異なる。 ロ) 南流山駅の「パシフィック」は現在同駅のみに導入されている。 ハ) ATOS導入に伴うものなのか、2011年11月に千葉支社管内の各駅で発車メロディーが変更された。 7. JR武蔵野線の問題点 (ア) 朝ラッシュ時の混雑率が高い (イ) 大雨や強風に弱い (ウ) 運転見合わせや運休となると大幅な迂回を余儀なくされる (エ) JR京葉線が遅延するとドミノ倒しのようにダイヤが乱れる (オ) エレベーター設置駅が少なくバリアフリー化が遅れている (カ) JR線との接続が悪い (キ) 輸送力が小さい (ク) 運行本数が少ない 参考文献
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