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社会交通工学科2年 0117番 日向 洋 |
京都市交通局烏丸線は、国際会館〜竹田間を結ぶ地下鉄線で、今年、北大路〜京都間が開業して30周年を迎えた。 来年には烏丸線国際会館〜竹田間全線開業15周年をも迎えようとしている。 今回は、京都市交通局烏丸線についてまとめてみたいと思う。 1.路線 図1 京都市交通局烏丸線の路線図 ※2 種別について、区別しやすくするために一部、本来の色から変更した箇所がある。 ※3 近畿日本鉄道京都線・奈良線の新田辺・近鉄奈良方面から乗車した場合、近畿日本鉄道京都までの運賃と京都市交通局京都までの運賃は異なるため、注意が必要である。例えば、新田辺から近畿日本鉄道京都まで乗車した場合は390円であるが、京都市交通局京都まで乗車した場合は590円である。 ※4 路線図・構内放送では、京都駅で近畿日本鉄道京都線と京都市交通局烏丸線は乗り換え案内がされているが、車内放送では乗り換え案内はされていない。
2.種別 竹田・新田辺・奈良方面(下り)は普通と急行があり、急行は基本的に奈良行である。また、普通の中で、近畿日本鉄道京都線直通列車は基本的に新田辺行である。 急行は竹田まで各駅に停車する。 なお、構内放送で、竹田行は種別を言わない形式、近畿日本鉄道京都線直通列車は種別を言う形式となっている。 四条 2011.8.18 国際会館方面(上り)はすべて普通のみとなっている。なお、構内放送は種別を言わない形式となっている。 3.構内放送 京都市交通局では今年春に烏丸線内の全駅で一斉に構内放送を更新した。これまで、烏丸線の構内放送は上下線とも女性の声であった。今回の放送更新で上りが男性、下りが女性の声になったのである。 また、案内が始まる前のチャイムが変わり、さらに接近メロディまで導入された。 表1 京都市交通局烏丸線の構内放送・発車ベル・発車ブザー
4.車両 現在、京都市交通局の烏丸線の車両は下記の10系のみである。なお、近畿日本鉄道の車両で乗り入れてくる車両もある。ここでは、近畿日本鉄道の乗り入れ車両も記載した。 ![]() 10系は1981年に登場し、合計120両が製造された。当初は4両編成で運行されていたが、竹田南進開業時から6両編成で運行されている。 加速度0.92m/s2(3.3km/h/s)、減速度0.97m/s2(3.5km/h/s、常用)、京都市交通局烏丸線内の最高速度は75km/h、近畿日本鉄道京都線・奈良線内の最高速度は105km/hである(設計上の最高速度は105km/h)。制御方式は電機子チョッパ制御である。 1・2次車(1101〜1109編成の竹田よりから1・2・5・6両目)は先頭車の前面が「額縁」のイメージを取り入れられており、前面の隅部が出っ張っている。側窓は固定式のため、一部の妻窓が2段式で開閉可能となっている。 3次車以降(1110編成〜、1101〜1109編成の竹田よりから3・4両目)は「額縁」のイメージが廃止され、前面の隅部が丸みをおびている。また、運転視界の向上のため、前面の傾斜角が変更され、前面の貫通扉に窓が設置された。 客室については側窓を開閉可能としたため、妻窓は固定式となっている。また、6次車(1118〜1120編成)は、ドアの上に車内案内板が取り付けられている。 その他、ATC装置を床下に移して、運転室の拡大もはかられた。 ドア開閉時には、ブザー(ドアチャイム)が鳴るが、これは車掌がドアを開ける際、ドア開閉レバーを上にあげる直前に(ドアを閉める際はドア開閉レバーを下に下げる直前に)ドア開閉レバーをひねることにより、ブザーが鳴るようになっている(鳴る時間は車掌がドア開閉レバーをひねる時間に比例する)。ドアチャイムの採用は京都市交通局烏丸線が日本初であるとされている。 なお、このドア開閉レバーをひねり、ブザーを鳴らすことは京都市交通局烏丸線内では近畿日本鉄道3200系・3220系も同じであるが、近畿日本鉄道京都線・奈良線内では行われていない模様(近畿日本鉄道3200系・3220系の場合、近畿日本鉄道線内専用のドアチャイムが鳴る)。
2011年現在、1両も廃車はない。 ![]() 近畿日本鉄道3200系は1986年に登場し、42両が製造された。 定員は先頭車141人、中間車160人、設計上の最高速度は120km/h、加速度0.83m/s2(3.0km/h/s)、減速度1.11m/s2(4.0km/h/s)、制御装置はVVVFインバータ制御である。 2006年から更新工事が始まり、妻面に転落防止の外幌の設置、座席のシートの変更、内装の張り替え、ドア上部に車内案内板の取り付け、ドアチャイムの設置などが行われている。 ![]() 近畿日本鉄道3220系は2000年3月に登場した、近畿日本鉄道が「人にやさしい、地球にやさしい」ということを目的に製造した「シリーズ21」の第一弾の車両である。2011年8月現在、18両(6両編成×3本)が製造されている。 定員は定員は設計上の最高速度は120km/h、加速度0.83m/s2(3.0km/h/s)、減速度1.11m/s2(4.0km/h/s)である。 制御方式はVVVFインバータ制御、2001年にローレル賞を受賞している。 3220系は製造されてから「KYOTO-NARA」のラッピングしていたが、現在ラッピングされているのは3723編成のみとなった。 この車両も写真5の3721編成と同じ標準色に塗りなおされた 四条 2010.3.9 ※加速度・減速度について 物理などでは、m/s2 (「メートル毎秒毎秒」または「メートルパーセカンドの二乗」)で表すが、鉄道関係などではkm/h/s(キロメートル毎時毎秒) で表すこともあるため、今回もこれら二通りで記載した。 5.京都市交通局烏丸線 北大路〜京都間開業30周年 京都市交通局烏丸線は、1981年5月29日に北大路〜京都間が開業した。これは、京都市で初の地下鉄であった。その後、1988年6月11日には京都〜竹田間が延伸され、同年8月28日に近畿日本鉄道京都線との直通運転を開始した。 さらに、1990年10月24日には北大路〜北山間が開業、1997年6月3日には北山〜国際会館間が開業し全線が開業した。 今年は、京都市交通局烏丸線の北大路〜京都間が開業して30周年である。 これを記念して、京都市交通局では、烏丸御池駅の「烏丸御池ギャラリー」で烏丸線・東西線開業時の車両に掲出されたヘッドマーク・写真などを展示したり、2011年5月29日には竹田車両基地で鉄道フェスタを開催、2011年5月30日から一部の編成に「京都市営地下鉄開業30周年」のヘッドマークの掲出、などが行われた。 京都市交通局烏丸線 北大路〜京都間開業30周年おめでとうございます! 6.四条駅の一部の看板に変化 京都市交通局では、これまで看板は基本的に黒地にオレンジ色の文字であった。 今回、四条駅の一部の看板がこれまでの黒地にオレンジ色の文字のものから黒地に白字のものに変更されたのである。これは、四条駅に「コトチカ」がオープンしたためだと思われる。 五条 2011.5.1 四条 2011.8.20 7.祇園祭 京都市では、毎年7月1日〜7月31日まで「祇園祭」が行われる。 この時には、京都市交通局の車両の前面に「おこしやす祇園祭」のヘッドマークが掲出される。 8.最後に 今回、京都市交通局烏丸線についてまとめようと思ったのは、今年、京都市交通局烏丸線の北大路〜京都間が開業30周年を迎えたからである。 私の好きな京都を走る鉄道をまた一つまとめることができてよかったと思う。今後も京都市交通局の発展を願いつつ、この原稿を終わりにしたいと思う。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。 参考文献
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