←前のページへ 次のページへ→
〜 京王電鉄初のステンレス車体「7000系」 〜

交通システム工学科1年 3130番 T.M.

1. 基本情報

 7000系は、1984年〜1996年にかけて190両が製造された京王電鉄初の20m級ステンレス車体の通勤型電車である。製造は日本車輌製造と東急車輌製造が担当した。当初は5両編成で製造されたが、現在は2・4・6・8・10両編成である。2両編成は8両編成の7000系もしくは9000系と併結する。4両編成は7000系の6両編成と併結する。8両編成は日中の各駅停車に利用される。10両編成は、優等列車・ラッシュ時の各駅停車に使用される。制御方式は界磁チョッパ制御だったが、2003年〜2012年にかけて、VVVFインバータ制御にリニューアル工事がなされた。最高速度は110km/hで起動加速度は2.5km/h/s、減速度は常用最大で4.0km/h/s、非常では4.5km/h/sとなっている。定員は先頭車両150名、中間車両170名(車椅子ゾーンを含まない)となっている。保安装置は京王ATCとなっている。走行可能区間は、京王線全線(井の頭線は除く)のみで、直通運転している都営新宿線へは乗り入れることができない。ただし、笹塚〜新線新宿間は京王線なので乗り入れることができる。


2. 様々なバリエーション

 この7000系電車は、現在の京王電鉄の車両の中で最も様々なバリエーションを持っている系式である。


2-1. 外見

 外見は2種類あり、車体側面がコルゲート仕上げとなっている車両とビードプレス仕上げとなっている車両がある。また、登場時は前面がステンレスのままだったが、のちにクリーム色に変更された。



写真1 コルゲート仕上げ




写真2 ビートプレス仕上げ


2-2. 方向幕

 一部編成を除いて現在でも方向幕を使用している。7721F〜7725FはフルカラーLEDを使用している。登場時には英語表記がなかったが、方向幕のみ追加され、その後種別表示にも追加された。


2-3. 車内案内表示

 基本的に三色LEDの案内表示だが、7721F〜7725Fは16:9にLCDモニタを各ドア上に1つ搭載している。7803Fと7804Fは三色LEDの案内表示の場所にLCDモニタを取り付けている。


2-4. パンタグラフ

 登場時は菱形パンタグラフだったが、現在はすべてシングルアームパンタグラフに変更されている。


2-5. 窓ガラス

 基本的には透明のガラスでサンシェードが付いているが、7721F〜7725Fはスモークガラスであり、サンシェードは付いていない。


2-6. 自動放送

 7025Fには自動放送が搭載された。


2-7. ラッピング

 動物園線専用になった7801F(4両編成)には動物のイラストがラッピングされている。


2-8. 車内座席

 登場時は朱色の座面で6000系と統一されていたが、現在は紫色となっている。2007年以降にリニューアル工事された車両は袖仕切りが大きいものになっており、バケットシート化されている。


2-9. その他

 7000系は7000系同士と9000系との併結できるがどちらも車内の通り抜けができない。また、8000系とは併結できない。余談だが、7777という先頭車が存在する。




写真3 7000系と9000系の併結




写真4 準特急 新宿行き


参考文献
  • 楠田利彦:「特集:大手私鉄の通勤型電車」、「鉄道ファン」、交友社、Vol.40、No.468、pp.44, 45、2000年4月



- 30 - 次のページへ→