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〜 聖地巡礼 〜

社会交通工学科2年 1078番 瀧崎 孝典

1.初めに

 今回の私の記事はアニメがあまり好きでない方、または興味がない方、ネタバレが苦手な方は飛ばして頂いた方が賢明である。また、この記事を読んでなつまちや小諸市、舞台探訪に興味を持って頂ければ筆者としては幸いである。



2.聖地巡礼(舞台探訪)とは?

 本来は、宗教において重要な意味を持つ聖地に赴く宗教的な行為のことをいう。
 転じて、ドラマや映画、近年では漫画・アニメ・小説(ライトノベル)などの物語の舞台となった場所など、本人にとって思い入れのある場所を「聖地」と呼び、この「聖地」を実際に訪れ、憧れや興奮に思いを馳せることを、「巡礼」と呼ぶようになった。
 なお、一般には「舞台探訪」あるいは「ロケ地巡り」などと呼ばれ近年では町おこしの為の観光資源として活用されている例もある。



3.『あの夏で待ってる(以下、なつまち)』作品紹介

 ここで、舞台探訪を行なった作品と主要登場人物について簡単に紹介する(CV=キャラクターボイス、敬称略)。
 昨年冬に放映されたアニメ作品、通称『なつまち』。長野県小諸市、軽井沢町が主な舞台。全12話。内容は、『高校生の主人公と地球に不時着した宇宙人のヒロインが映画撮影を通じて惹かれ合っていったりいかなかったりする典型的なラブコメ』である。
 特徴として、主要登場人物1人1人について丁寧かつ魅力的に描かれている。やはり最大の特徴として、

 青い子が不遇である事が挙げられる。



写真1 手前右から、私のお気に入りの登場人物である『檸檬先輩』こと山乃 檸檬(CV:田村ゆかり、以降『檸檬』)、ヒロインの貴月 イチカ(CV:戸松遥 以降、『イチカ先輩』)、主人公の霧島 海人(CV:島崎信長 以降、『海人』)、『青い子』こと谷川 柑菜(CV:石原夏織 以降、『青い子』)奥の方左から、主人公の親友の石垣 哲朗(CV:萩原秀樹 以降、『哲朗』)、後に哲朗と付き合う事となる青い子の親友、北原 美桜(CV:阿澄佳奈 以降、『美桜』)。


 なお、この作品に対するNR内での評価は私の思っている程高くはない。



4.いざ、巡礼へ(準備編)

 巡礼するにあたってまず重要な事は、『舞台となった場所を考察する事』であると私は思う。
 考察するヒントに成りうる物として、以下の物が挙げられる。
  • 背景の自然地形や建造物、交差点の標示など(但し、それらについて既知でなければ難しい)
  • 登場人物の台詞(例)「どこ行く?」→「か、軽井沢にしよっか。映画のロケハンかねて」(ノベライズ版1巻より引用。原文ママ)
  • 走っている鉄道車両(リアリティ皆無の場合多々あり)
 『考察が面倒くさい』、という方は検索エンジンに『〇〇(作品名) 舞台』と入力してしまえば一発だが私の場合あくまでそれは最後の手段。最近では、『〇〇が舞台』と設定などで公言している場合も少なくない。



5.いざ、巡礼へ(実践編)

 この作品の舞台探訪は、2012年3月6日〜7日と8月3日〜8月4日の2回の行程に分けて行った。
 因みに、2度目の舞台探訪の日は小諸市内にて同作品の感謝祭イベントが開催されていたが、

 「俺金ねぇんだよ!」(某N山研の卒研生風に)

 という訳でスルー。すぐに完売した上に¥5,500はアルバイトをしていない身には大きすぎる。
 前置きはこの位にしておいてそれでは出発しよう。


5-1.佐久平〜乙女〜軽井沢

5-1-1.佐久平〜乙女

 春合宿の往路に組み込んだ。3月6日の昼頃、地元である豊橋から新快速で名古屋に行き、名鉄バスセンター17:10発の中央道高速バスでまずは松本バスターミナルへ。松本駅よりしなの23号で篠ノ井、しなの鉄道で小諸、小海線で佐久平に到着。1泊後、いよいよ巡礼開始。
 まずは、2話で主人公の姉がボリビアへと出発した佐久平駅1番線(写真2)。



写真2 佐久平駅


 その後再び小海線に乗車し、小諸の2駅手前の乙女駅で下車。物語はこの駅の周辺を中心として進んでいく。3月の時は少し散策するも、雪のせいかホームのベンチと待合室にあったノート以外それらしいものは何も発見出来なかった(写真等の詳細は後述)。そして小諸へ。余談だが、小諸〜乙女間では小海線としなの鉄道(旧信越本線)が並行しており、アニメ第1話(BIGLOBEで無料配信中)とノベライズ版1巻とで海人がイチカ先輩の乗っている電車にカメラを向けるシーンが若干異なっている。


5-1-2.小諸(懐古園)

 小海線で小諸に引き返す。まず向かった先は懐古園。普段は園内散策するだけでも300円取られてしまうのだが、この時期は毎週水曜日休園なので無料で散策できた。なお、この項目は作品のカットの視点と全く異なる部分が多々あるので、その点をご了承願いたい。



写真3 水の手展望台。どういう訳か傾いてしまっているが、これに近いカットが撮影後に出てきた。因みに、小諸駅などで掲示されていたり普通に販売されていたりしたポスターの図柄はここからの風景。




写真4 東屋。実際のカットはもう少し右の方だが当時は工事をやっていた為作品中のアングルになる位置に入れず。




写真5 入口にあった舞台の場所の案内。当時首都圏では8話まで放映済み。




写真6 酔月橋。実際のカットは反対側。



5-1-3.小諸(懐古園〜芦原中学校)

 懐古園を後にした私は、観光協会で地図を貰ってノートに記入した後海人達の通う小諸学園のモデルとなった学校、小諸市立芦原中学校へと歩を進める。その途中には懐古園入口交差点もあるのだが、便宜上後述させてもらう。





写真7 実際のカットはもう少し手前まで行って撮る必要がある。注意であるが、当然敷地内は立ち入り禁止。また、車の往来もひっきりなしなのでこの事についても述べておく。



5-1-4.軽井沢

 小諸を回れるだけ回ったところで軽井沢へ。駅で荷物を預けて200円のレンタサイクル(因みに、荷物も預かってくれるのだがそれに気づいた頃には時すでに遅し)を利用。また、旧軽井沢地区ではあらかじめネットから入手した写真8のマップを活用して非常にスムーズに探訪できた。雪がある事以外は。



写真8 旧軽井沢カット一覧




写真9 位置こそ失念してしまったものの海人がふてくされて腰掛けていた階段。




写真10 実際は反対側の視点だが雪で立ち入り不可。


夏の作品なのに冬に放映するとは何事か、と愚痴を漏らし、夏に再び足を運ぶ事を決心しつつ軽井沢を後にし、春合宿前の最終宿泊地である新潟へと向かった。





 
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