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〜 富良野・美瑛ノロッコ号乗車記 〜

社会交通工学科3年 0016番 石崎 弘晃

1.はじめに

 富良野・美瑛ノロッコ号(以下、ノロッコ号)は北海道旅客鉄道株式会社(以下JR北海道)が 富良野〜美瑛間で往復運行(一部列車は旭川発着)しているイベント列車である。 ノロッコ号は3往復あり、今年(2012年)は6月9日〜8月31日の間、毎日運行されている。 筆者は8月10日に乗車した。



2.乗車

 富良野駅にてノロッコ号に乗車した。途中、ノロッコ号は全て、 臨時駅であるラベンダー畑駅に停車する。 このラベンダー畑駅は、ラベンダー畑で有名な観光地ファーム富田の最寄り駅である。 ラベンダーの時期は過ぎているものの、駅では多くの人がノロッコ号を待っていた。 待っている人々は様々だったが、中国系や韓国系の外国人観光客が目立った。
 11時30分ごろ、ノロッコ号が入線してきた。列車は機関車1両と客車4両で構成され、 富良野駅では客車を先頭に入ってきた。富良野側の客車には運転台が付いており、 富良野側では客車、美瑛側では機関車を先頭に運行する。これにより、 客車列車の弱点である機関車を付け替える手間を省いているので、効率的な方法だと感じた。 筆者の乗った日は機関車が通常の朱色をベースとした国鉄色のDE15型ディーゼル機関車であった。 通常、ノロッコ号は専用カラーのDE15型ディーゼル機関車が使用されるようだが、 都合により変更となった模様である。



写真1 入線してくるノロッコ号




写真2 富良野駅で発車を待つノロッコ号


 11時52分、列車は定刻に発車した。列車は富良野の美しい山々を眺めながら走行するため、 眺めの良い区間では、比較的ゆっくりとした速度で走行する。また、 車内アナウンスで観光案内が行われる。この日は少し天候が悪く、 アナウンスでは「ご覧になることはできませんが〜」と前置きして観光案内が放送されていた。



写真3 車内からの眺め


 観光案内を聞きながら、 大きな窓から本州とはまた違った独特の綺麗な景色を眺めて楽しんでいると、 列車は中富良野駅に到着した。次は筆者も下車するラベンダー畑駅である。 この間、列車は急に高速運転を行った。景色も見えないので、 もともと速く走る区間の可能性が高いが、中富良野駅到着の時点で、 数分程遅延していたのでそのためとも考えられる。そのまま列車は数分遅れで、 ラベンダー畑駅に到着した。



写真4 ラベンダー畑駅の駅名票


 ファーム富田での観光を終え、再びノロッコ号に乗車して美瑛駅へ向かった。 列車は山の中へ入って行くため、列車は木々の間を抜けて行く。



写真5 美瑛駅までの途中の景色


 客を飽きさせないようにするため、車内の観光アナウンスが引き続き行われていた。 美瑛駅までは40分ほど乗車時間があるので、車内を見て回った。機関車側から1両目は指定席で、 売店の車両がある。また、ここにはスタンプが置かれており、 乗車記念のスタンプを押すことが出来る。2, 3, 4両目は自由席である。車内は、 木のテーブルと木のイスで構成され、また、この列車の特徴である非常に大きな窓がある。 この窓は雨天時などのため窓ガラスがあり、締めることも可能であった。



写真6 車内の様子


 ラベンダー畑で観光を楽しんだ人々が満足そうに座っていた。また、 この頃から急に天候が悪化したので、不安そうに空を見つめる乗客もいた。 列車は速いスピードで山を駆け抜けていき、美瑛駅に定刻通りに到着した。



写真7 美瑛駅に到着したノロッコ号



3. まとめ

 観光列車として楽しい列車であり、JR北海道の工夫を見ることが出来た。 乗車時も鉄道ファンではなく、観光客が多く、これからも継続して運転されると考えられる。 また、列車のスタイルも珍しく、改造車ばかりだが、貴重な客車列車であるため、 1日でも長く走って欲しいと思う。
 最後に、筆者の乗車時は迷惑をかけるような鉄道ファンは見受けられなかった。しかし、 鉄道を趣味とする物として、自分が一人の乗客であり、我々が撮影したり、 乗車したりするためだけに走っているわけで無い事を忘れないようにして欲しいと 他のファンにお願いしたい。



4. 参考文献

  • JR北海道ホームページ,「GOTTON,JRで行く 富良野・美瑛2012,観光列車」(http://www.jrhokkaido.co.jp/travel/furano_sum2012/train.html)





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