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〜 鉄道業界の言葉について 〜

社会交通工学科2年 0133番 松本 大地


1.はじめに

 鉄道の世界には普段耳にすることがない言葉(用語)が多く使われている。それらは伝達の明確化などを目的に用いられていると思われるが、 なぜ鉄道業界ではそのような言葉を使うのかはっきりしていない。






2.鉄道の言葉






・時分(じふん)
 時間のこと。広辞苑にも出ていない鉄道用語である。  例:運転時分、余裕時分 など

・鎖錠(さじょう)
 一方の機器を取扱ったときに、他方の機器はある一定時間内は取扱えない(動作させない)ようにすること。鍵をかけることは施錠という。

・架線(がせん)
 架線とは架空電車線のことで、列車が走行する空間上部に設置されている電線で、列車に電気を供給するためのもの。一般には「かせん」 と読まれるが、聞き間違いを防ぐために「がせん」と読む。

・分岐器(ぶんぎき)
 列車の進路の分岐点のことで、ポイントともいう。一般には「ぶんきき」であるが鉄道関係者は「ぶんぎき」と呼ぶことが多い。

・会社線(かいしゃせん)
 会社線とは、主にJRの輸送指令が使っている言葉である。JR線と反対の意味で、JR線を除くその他の私鉄(民鉄)のことをいう。

・緩解(かんかい)
 ブレーキをユルメること。

・指差喚呼(しさかんこ)
 信号や標識の錯覚や見間違い防止のために行う指を差し、声に出して確認すること。指差呼称という言葉もあるが「喚呼」と 「呼称」では意味が違い、「喚呼」では大きな声を出して確認するもので、「呼称」は声の大きさにきまりはない。また、指差 喚呼は指差し確認であり、安全性を考え、「指差しをするときは一度こめかみで考えた上で指を前に出せ」という鉄道会社もある。

・ノリホ(のりほ)
 乗車人員報告書のことで、車掌が新幹線や特急などの乗車人数を記録し、報告すること。または報告するもののこと。一部の特急 停車駅のホームには「ノリホ入れ」というのがあり、車掌が記録したノリホを入れるための箱がある。

・ウテシ(うてし)
 電略で運転士の意味である。

・レチ(れち)
 ウテシ同様、電略で「車掌」の意味である。「列車長」からきている。

・リン(りん)
 臨時列車のこと。

・ウヤ(うや)
 運休のこと。「ウンテンヤスミ」からきている。

・カツテン(かつてん)
 復活運転のことで、いったん運休と決めた列車を運転させること。

・A運用
 車両の運用のこと。

・B運用
 運転士の運用のこと。

・C運用
 車掌の運用のこと。

・0(ころ)
 ゼロのこと。「マル」という会社もある。
 例:「00G(コロコロジー)お客さまご案内中」、「05系(コロゴ系)」

・延発(えんぱつ)
 遅れている列車の先行列車を時間調整し、運転間隔を調整すること。






参考文献

・列車ダイヤの秘密  富井規雄  成山堂書店

・標識と信号で広がる鉄の世界  磯兼雄一郎/井上孝司  株式会社 秀和システム



 
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