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春合宿・番外編最終日+α

大ピンチ!!九州脱出不可能!?
お金が足りない!!!

と、気がついたのはいつだろうか言うまでもない松山だ。しかし、松山では郵便局のATMしかなく、
「このカードでは取り扱いが出来ません」
「コノカードデハトリアツカイガデキマセン」
「コノカードデハ・・・・  
 だあああああっ!!無機的で反省の色すらないキャッシュディスペンサーの仕打ちを受けたままの状態で九州に来たのである。とりあえず、大分だ。大分駅に行けばお手持ちのキャッシュカードが使える場所があるはずだ。
 臼杵港に到着後トラックの脇をすり抜けるように船を降り、寒雨のなか臼杵駅へと向かった。街灯があまりなく、車も人通りも全くない臼杵市街を通って待合室に明かりが灯る臼杵駅に到着。始発電車が来るまでここで待機。貨物列車が通りすぎたりしていたが、それよりも突然、待合室の電気が突然消えたことである。あんまりである。6時を回り始発電車がやってきた。常磐線で見たことがある電車だった。この電車で一縷の望みを賭けて大分に向かった。

問題解決!!九州ぶった切り豊肥本線〜舞降る雪の輪舞〜
 私は歩いた。雨降る大分駅周辺を・・。ただ、お金が降ろせる場所を探して。コンビニをのぞき、交番のお巡りさんに尋ね、やっと想いでカードが使用可能の銀行を見つけた。しかし、取引開始時間が8時45分からであった。宮地行きの電車まで約20分強の持ち時間しかないが致し方ない。ひとまず、大分駅に戻ると先程まで使用不能だった。キャッシュディスペンサーが使用可能になっていた。なんと、そこでカードが使えたのであった。まるでどこかのゲームの隠しボスを倒したかのような気分だった。よかった。よかった。
 豊肥本線は大分と熊本を結ぶ路線であるが、ほとんどが単線で構成されている。複線区間は全くないといってもいい。大分に入線したときは2両であったがいざ、出発の時になると、黄色1色に塗装されたワンマンカーで行く事になった。豊後竹田につく頃には座席に座れる程すいてしまった。30分ほど停車するため、ボンタン飴を買って時間を潰した。
 豊後竹田を出発した後、列車は雨が降る中どんどん山を登っていった。いくつかのトンネルを抜けた先の駅では、雨ではなく雪が降っていた。そのような幻想的な景色の中を列車は進み、宮地に到着。そこから肥後大津行きの列車に乗り換えた。阿蘇山の南西側を進んでいると、雨のせいか雲のせいかわからなくなるほど前後左右が真っ白になってしまった。真っ黒の時よりも別の不気味さがある。そんな中スイッチバックを2回行い、下山していく。肥後大津からはロングシートの電車に乗換えとなった。熊本駅に到着後旅の疲れを落とすべく銭湯を探すことにした。
 銭湯は、上熊本駅から歩いて10分くらいの所あることがわかった。そこで別に切符を買って(200円)上熊本駅に向かった。銭湯入浴後、時間が少なくなったことに気づき、走るハメになった。あっと言う間に疲れがたまった。

寝台特急はやぶさ号・17時間58分の旅
 熊本駅でに戻り、すばやく食事を済ませた後、東京行きの寝台特急はやぶさ号に乗車した。門司駅で寝台特急富士号と連結するがそれまでは停車駅に長時間停車するのはなく、右から左へと景色が流れていった。広島に着いた時の記憶がないため、その前に寝てしまった。


熊本を午後4時に出発する寝台特急はやぶさ号。独特の雰囲気がある。


こちらはA寝台個室。値段はB寝台個室の約2倍だが、天井が高く頭をぶつける心配がない。


東京駅にて、威圧感があるEF66電気機関車。下関からはやぶさと富士を運ぶ。

 目が覚めたのは、浜松駅到着の前の車掌のおはようございますアナウンスだった。浜松到着6時20分つまり東京まで後3時間38分もある。枕があまりにもふかふかなので二度寝をしてしまった。沼津でどこぞで見た車両を抜かし、戸塚で貨物列車と並走し、通勤ラッシュも終わりも雰囲気が出てきた横浜に停車し、品川を通過し、9時58分定時に東京に到着した。
 日本は地図ではちっぽけだが、実際には広いことを実感した。帰りのハプニングと言えば、寝台特急のB寝台ソロの個室の天井に6回頭をぶつけたことと、東京周辺でポイントカードを落としてしまったことだ。


おまけの写真 今は無き寝台特急出雲号

終わり
 
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