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土木工学科 1年 清水 寛 |
3086レを牽引してEH500 28号機が恵比寿駅を通過する 撮影:恵比寿駅 ◆はじめに 山手線の新車両をはじめとして、ステンレス車体にVVVFインバーターを搭載する列車が全国的に増え、それまでの主力といわれた国鉄型あるいは私鉄の主力型車両を着実に置き換えている。 東京都内のJR線、私鉄各線においても新型車両がずらりと顔を並べる時代となった。 しかしながら、国内鉄道における輸送手段の進歩。特にVVVFインバーターを使用した動力車の開発は、旅客に限らず貨物においても着実に実施されている。 これは、近年迫りつつある前時代に製造された車両の老朽化は年々深刻さを増しており、車種によっては車齢(車両の年齢)30年を超過するものもある程。車の平均車齢から比較すると何とも高年齢であることがお分かり頂けると思う。 この問題はJR各社にとって大きな課題であり、国鉄民営化によって誕生した日本貨物鉄道株式会社(以下、JR貨物)にとっても同様に大きな問題である。特に輸送手段の中核を成す機関車は、そのほとんどが国鉄時代に製造された車両の引継ぎであり、その老朽化は近年顕著になりつつある。これは近年必ず世代交代を行わなければならないという問題なのである。 これに対応する為に。また、政府が掲げるCO2削減を目標としたモーダルシフトによる貨物需要の増加や車扱からコンテナ化による貨物列車の高速化に対応する為に新性能新型機関車の新造が進められている。 では資料から新造の経緯を見てみよう。まず、コンテナと車扱の輸送量の推移を図1に示す。
現状はこのようになっている。以前、鉄道開業時からの主力であった車扱は、現在ではその殆どがコンテナに移行しており、運扱の主になっているのは石油類・化学薬品輸送用のタンク車や粉粒体バラ積用のホッパ車などによる輸送である。その取扱量は年々減少傾向にあるが、これはタンクコンテナなどが製造され、コンテナ化している為である。しかし、近代国家の血液ともいえる石油類輸送に関しては陸上部輸送の大部分を鉄道輸送がカバーしており今後も車扱が消滅する可能性はきわめて低い。 一方、近年主力になりつつあるコンテナはその輸送量を着実に伸ばしている。これは、低床コンテナ車の開発によって大型コンテナの積載が可能になったことに加え、車両自体がそれまでのコンテナ貨車に比べて高速化(最高速度110q/h)されたことによって取扱をする企業が増えた事。そして、近年のモーダルシフトによって企業が環境を考え、それまでのトラック輸送からコンテナを利用した鉄道輸送への切り替えをおこなった事などが挙げられる。 このコンテナ化によって、輸送時間の軽減がなされるとともに輸送量の増大に伴う編成の長大化という現象が伴い、それまでの機関車よりもより出力の高い機関車を必要とされるようになったのである。 |
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