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大学院理工学研究科 研究生 11102番 栗原 一暢 |
4.自動放送 近年では駅の雰囲気を和やかにすることを目的に、メロディー化が進んでいる。名古屋の地下鉄では、車内の自動放送化は早かったが、駅のメロディー化にはご縁がなかった。 2005年に名城線・名港線の駅へ試験的に導入し、2007年からは全路線(上飯田線を除く)の駅に拡大した。試験的に使用されていたものは、JR東日本で使用されている櫻井音楽工房の曲であった。本採用されている曲は方向別で曲が異なっており、いずれも各路線の特徴を踏まえたものに仕上がっている。名古屋市立大学大学院の水野みか子准教授製作のもと10曲が採用された。電車の接近を知らせる放送の冒頭に、7秒程度メロディーが流れる。 (1)ドリーム 東山線藤が丘方面で使用されている曲。東山動植物園へ向かう親子連れの賑やかで暖かなムードを出している。 音声1 今池駅1番線接近放送 (2)イエローライン 東山線高畑方面で使用されている曲。夢の乗り物に乗って、動物園に向かう様子を表している。 音声2 今池駅2番線接近放送 (3)ランディング 名城線左回りで使用されている曲。環状運転をしていることから、音階も「ドレミファソラシ」と音階が上がり、最後高い「ド」に戻っている。 音声3 新瑞橋1番線接近放送 (4)サークルポイント 名城線右回りで使用されている曲。厳かに下る音階が、名古屋城の重みのある歴史を感じさせている。 音声4 新瑞橋2番線接近放送 (5)ハッピータイム 名港線名古屋港方面で使用されている曲。港にあるイベント会場に向かう楽しさを表わしている。 音声5 東海通1番線接近放送 (6)海 名港線金山方面で使用されている曲。海水が7色に変化するように同じ音程を繰り返すうちに、「玉虫色のパターン」が浮き上がってくる様子を表している。 音声6 東海通2番線接近放送 (7)ファンタジー 鶴舞線上小田井方面で使用されている曲。公園で穏やかな時間を過ごしながら、昔のことを思い出す感じを出している。 音声7 上前津2番線接近放送 (8)サンライト 鶴舞線赤池方面で使用されている曲。明るい日差しの中に颯爽に歩く若者がおり、トンネルを抜けるとみんなで楽しめる公園や街路が見える様子を表している。 音声8 上前津1番線接近放送 (9)オーバル 桜通線徳重方面で使用されている曲。楕円形は自由に広がる形であり、これから成長する卵のような将来性を感じさせる。 音声9 今池3番線接近放送 (10)チェリー 桜通線中村区役所方面で使用されている曲。三拍子と二拍子の混合が、「桜色」という微妙な色彩を思わせるとともに、モダンな建物やきれいなオフィス街を表している。 音声10 今池4番線接近放送 (11)おまけ 音声11 上飯田線乗降促進音 音声12 荒木選手のアナウンス(ドラゴンズトレイン2009) 音声13 ジングルベル付き(クリスマストレイン2010) 音声14 他国語のアナウンス 5.乗車券 名古屋の地下鉄の普通乗車券は、緑をベースに乗車駅名と運賃が表記され、購入時刻が印字されていない単純なものである。このデザインはここ何十年変化ないものと思う。写真13にあるように、JR東日本のものと比べると、違いは明らかである。 普通乗車券の他に、かつては「リリーカード」、「ユリカ」といったプリペイドカードを発売していた。これらのカードには、記念の絵柄で発売しているものもあった。現在は、ICカード「manaca」(写真14の中央)が登場し、磁気カードで発売しているものが一日乗車券や土日エコきっぷに限られるため、こちらの記念カードが発売されている。 写真13 JR東と名市交の乗車券の比較 写真14 記念カードのコレクション(一部) 6.おわりに 以上、概要を説明し、路線、自動放送、乗車券等について簡単にまとめた。なお、ここに記しているものは2011年8月現在のものとなっている。個人的に調査を行ったものもあり、一部誤りがある可能性があることをご承知お聞かせ願いたい。長文となったが、読んでいただけたら幸いである。なお、EXPRESSの記事を編集していただく方々には、この場を借りて厚くお礼申し上げる。 7.参考文献 ・名古屋の地下鉄 メモリアル50 名古屋市交通局総務部 2008年2月発行 ・歴史でめぐる鉄道全路線 名古屋市交通局 朝日新聞出版 2011年5月発行 ・交通局ニュースVol.168 名古屋市交通局総務部広報 2007年6月発行
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