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社会交通工学科2年 2055番 酒井 昂紀 |
1. 総説 福島から山形を通り、新庄まで結んでいる山形新幹線「つばさ《と、盛岡から秋田を結んでいる秋田新幹線「こまち《は、世間一般的には「ミニ新幹線《と呼ばれている。厳密に言うと山形新幹線と秋田新幹線は新幹線の一種ではなく、レールの幅を広げて東北新幹線から乗り入れを可能にした新在直通の在来線の一種である。 「つばさ《にしろ「こまち《にしろ、どちらも在来線を走る区間の最高時速は在来線最高時速130km/hとしている。これは、列車が急ブレーキかけてから停止するまでの距離が最大600mという規則があるためである。当然、普通列車も新幹線基準の線路を走れるようにしている。車両にも特徴がある。在来線基準で車両がつくられているので、「フル規格《とよばれる新幹線の車両は、長さ25m、幅3.38mであるのに対し、「ミニ新幹線《は、長さ20m、幅2.95mとして作られている。 ミニ新幹線の利点は
2. 山形新幹線 山形新幹線「つばさ《は、国内初の新幹線電車が在来線に直通運転する「ミニ新幹線《として1992年7月福島*山形間で開業し、1999年12月に新庄まで延伸し、福島*新庄間を148.6kmでむすんでいる。開業当初は6両編成として運用していたが乗車効率が80%と高く、満席の列車が多く出た。そこで1995年に1両増結し7両編成として現在に至る。使用車両はE3系1000番台、E3系2000番台である。初代ミニ新幹線として吊を示した400系は車両の老朽化によって2010年4月に引退した。デザインはどちらもシルバーの車体に緑のラインが入っている。 ![]() 写真1 E3系2000番台 初めのうちは、多くの「つばさ《は200系「やまびこ《と東京*福島間で連結して走っていたが、E4系「MAXやまびこ《、そして、現在はE2系「やまびこ《と連結をして運用についている。最高時速はどちらも275km/hで東京*新庄間を最速3時間36分で結んでいる。 東北新幹線と山形新幹線が分かれる福島駅は、連結・分割を共に14番線でおこなわれる。そのため連結をおこなう東京方面に向かう「やまびこ《は、下り本線を平面交差しないといけない。これが増発のネックとされている。奥羽本線(山形線)は基本単線のため、多くの駅で入れちがいが行えるように工夫をしている。山形新幹線内の停車駅は米沢、高畠、赤湯、かみのやま温泉、山形、天童、さくらんぼ東根、村山、大石田、新庄と10駅あり、山形県は日本で一番新幹線が止まる駅を持っている県とされている。 3. 秋田新幹線 秋田新幹線「こまち《は、1997年3月に盛岡*秋田間127.3kmで開業した。開業当初は5両編成で運用していたが、山形新幹線と同様に乗車効率が高いため1998年に1両増備して現在6両編成で運用についている。さらに2013年3月よりE6系の運用開始とともに「スーパーこまち《として運用についている。「スーパーこまち《は「はやぶさ《と連結して運行している。E6系の量産を終えるとふたたび「こまち《として運用につく。現在、「こまち《はE3系とE6系が使用されており、最高時速はE3系が275km/h、E6系が320km/hとされていて最短3時間45分で東京*秋田を結んでいる。 ![]() 写真2 E3系0番台 ![]() 写真3 E6系 秋田新幹線が通る田沢湖線、奥羽本線はそれぞれ単線としているが田沢湖線は在来線と共用運用、奥羽本線は新幹線用の線路と在来線用の線路と別れており、神宮寺*峰吉川間は行き違いができるように三線軌としている。また、大曲で進行方向が変わる。秋田新幹線の停車駅は雫石、田沢湖、角館、大曲、秋田である。 4. これからのミニ新幹線 山形新幹線、秋田新幹線はどちらも1両増備するほど好評を得た。フル規格新幹線とは違い、沿線が第三セクターにならず沿線住民の負担も減らすことができる。さらに新幹線開通によって地域の活性化にも役立つ。このような利点があるためこれからもミニ新幹線が増えていくと想定することができる。また開通が予定されている北海道新幹線(青函トンネル)、九州新幹線(長崎ルート)はミニ新幹線として運用すると予測されている。 参考文献
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