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〜 阪急電鉄 <阪急電鉄創立100周年おめでとう!> 〜

社会交通工学科1年 0117番 日向 洋



 阪急電鉄とは、大阪府の梅田から兵庫県の宝塚・三宮、京都府の河原町・嵐山方面などを結ぶ大手私鉄である。 その阪急電鉄が2010年3月10日に開業100周年を迎えた。今回は、阪急電鉄についてまとめてみたいと思う。


1.阪急電鉄の路線

 阪急電鉄には「京都線」・「宝塚線」・「神戸線」と3種類の路線があり、それぞれに本線と支線がある。なお、図1では 阪急電鉄以外の路線(阪急電鉄の乗り入れ先)も一部記載している。




図1 阪急電鉄の路線の種類(停車駅は主要駅のみ記載)


■京都線




図2 京都線の停車駅


■宝塚線




図3 宝塚線の停車駅


■神戸線




図4 神戸線の停車駅



2.車両

 阪急電鉄には、現在、以下の種類の車両がある。

(1)2300系
 2300系は、2000系を元に、京都線用として開発された車両。2000・2300系ともに1961年に「鉄道友の会」から ローレル賞を受賞した。

(2)3000系・3100系・3300系
 3000系は、神戸線の昇圧に伴い、600・1500V両方に対応できるように製造された車両である。
 3100系は、3000系を元に宝塚線用として開発された車両である。
 3300系は、1969年に大阪市交通局堺筋線へ直通運転開始するのにあたり開発された。

(3)5000系・5100系・5200系・5300系
 5000系は、神戸線の昇圧後、最初に導入された1500V専用車である。
 5200系は、5000系をベースに冷房装置を搭載して登場。
 5100系は、5000・5200系をベースに製造された。
 5300系は、京都線用として5100系を基本に製造された車両である。

(4)6000系・6300系
 6000系は、2200系と5100系を基本とした、神戸線・宝塚線の車両。
 6300系は、2800系の後継ぎとして製造され、2010年2月28日まで京都線の特急運用に就いていた。現在は、 嵐山線の運用に就いている。

(5)7000系・7300系
 7000系は、6000系をベースに作られた車両で、界磁チョッパ式を採用した。
 7300系は、7000系を京都線用として開発したものである。
 7300系は2008年から、7000系は2009年からリニューアル工事が開始された。

(6)8000系・8200系・8300系
 8000系は、阪急創立80周年を記念して開発された車両で、VVVFインバータ制御をはじめて導入した車両である。
 8200系は、関西で初めての座席収納車両や、滑走防止装置などの先端技術を多数導入した。しかし現在は、 ラッシュ時の混雑率の低下などから、収納座席を固定座席に変更するなどの対策がされている。
 8300系は京都線用として8000系を基本に製造された車両である。




写真1 8300系 (梅田 2010.8.8)


(7)9000系・9300系
 9300系は、京都線の特急用6300系を置き換えるために、2003年に登場した京都線の最新鋭の車両である。
 9000系は、2006年に神戸線に、2007年に宝塚線に投入された最新鋭の車両である。




写真2 9300系 (摂津市 2010.8.8)



3.阪急京都線・嵐山線単線化ストーリー

 新京阪電鉄が1928年に嵐山線を全線複線で開業させた。当初は嵐山駅を京都寄りのターミナル駅と位置付けて、 駅は6面5線の構造となっていた。しかし、需要があまりなく、また戦争の悪化による「金属回収令」に伴い、「不要 不急路線」として、レールの差出を求められ、現在のような感じとなった。このため、架線柱が単線の割に複線用の 物があったり、桂〜嵐山までのほとんどの区間が複線用の路幅がある。




写真3 嵐山駅の旧ホーム

 写真3の通り、嵐山駅2番線から反対側のホームを見ると、反対側のホームの奥には木が生い茂っているだけに 見えるが、実は昔のホームの上に木が生えているのだ!



写真4 嵐山駅構内

 また写真4の通り、嵐山駅の桂寄りにある架線柱を見ると、線路が単線・複線の割に幅が広い。これも嵐山駅が かつて6面5線であった名残であるといえる。



4.阪急開業100周年記念!

阪急電鉄は1910年3月10日に開業し、今年の3月10日で100周年を迎えた。これを記念して、阪急電鉄では ラッピング列車の運行、開業100周年のヘッドマークの掲載、阪急電鉄開業100周年記念サイトの開設や メモリアルクイズラリーなどが行われた。




写真5 開業100周年ヘッドマーク



5.摂津市駅開業!

 2010年3月14日、京都線の正雀〜南茨木間に摂津市駅が開業した。2010年3月14日のダイヤ改正時点では、 普通列車のみの停車となっている。
 この駅は、いろいろなエコ技術を使用している駅であり、ホームの屋根の上に太陽電池パネルを敷き詰めたほか、 駅務室では「ヒートポンプ式電気給湯器」を使用、駅の照明にはLED照明を採用、緑化推進などをしている。このため、 駅の地下通路には、摂津市駅のエコ技術についての貼り出しがあり、ホームの壁にはエコの街をイメージした(?)絵が 描かれている。
 また、この駅の開業に合わせ、阪急電鉄は摂津市駅開業のヘッドマークを掲載した列車が運転されたり(2010年 3月頃)、2010年3月14日〜7月31日までは「カーボン・ニュートラル・トレイン 摂津市号」(9300系9303編成)が運行 された。




写真6 摂津市駅開業ヘッドマーク



6.「快速」再登場! &「快速特急」臨時復活!?

 2010年3月14日のダイヤ改正で、京都線に「快速」の種別が設定された。かつて、京都線に「快速」の種別があったが、 今回は以前の「快速」とは違う停車駅となっており、平日のみ運転される。「快速」の種別カラーは「青」であるが、方向幕は 「緑」となっている。
 また、昨年頃までは臨時列車(「いい古都エクスプレス」など)で「快速」という種別を使っていたが、定期の「快速」が できたためか、今年から、臨時列車として「快速特急」の種別が復活した。「快速特急」は2007年3月のダイヤ改正を もって、京都線からは姿を消していた。



写真7 快速特急 河原町行き



7.京都本線 洛西口付近高架化

 京都本線の洛西口付近が高架化されることとなった。これに伴い、現在、洛西口付近の線路の切り替え工事が行われている。



8.最後に

 今回、阪急電鉄についてまとめようと思ったのは、今年3月10日に阪急電鉄が創立100周年を迎えたからである。私の好きな 京都を走る鉄道として、今後の発展に期待したいと思う。

 最後までお読みいただきありがとうございました。



参考文献

・「HANKYU MAROON WORLD 阪急電車のすべて2010」 阪急コミュニケーションズ

・鉄道ピクトリアル 2010年8月臨時増刊号

・阪急電鉄ホームページ http://rail.hankyu.co.jp/



 
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