←前のページへ次のページへ→
寝テツ

社会交通工学科2年  金元 良平

1.はじめに

 乗り鉄、撮り鉄、模型鉄。最近の鉄道ファンが様々なジャンルに分かれているのをご存じだろうか?列車に乗るのが好きだから乗り鉄、列車の写真を撮るのが好きだから撮り鉄、鉄道模型を作ったり走らせたりするのが好きだから模型鉄。これらのジャンルは比較的メジャーなものである。他にも電車のモーター音や駅の発車メロディーを聴くのが好きな音鉄、鉄道に関するグッズを集めるのが好きな収集鉄といった人々もいる。さて、今回ご紹介するのは列車の中で寝ることを目的とする鉄ちゃんについてである。筆者はそれを『寝鉄』と呼ぶことにした。




2.寝鉄、言い換えれば只の居眠り。

 全くもってその通りである。車内でただ眠るだけなのだから。実際、筆者自身も大学の行き帰りでよく居眠りをするのだが、ある日ふと思った。様々な路線の様々な車両。さらにはその車内のどの位置が眠りやすいのか。それが『寝鉄』誕生の瞬間であった。

そう、言い忘れていたがこの『寝鉄』、筆者自身のことである。




3.何故列車に乗ると眠くなるのか?

 これには明確な理由がある、『1/fのゆらぎ』という言葉を聞いたことはあるだろうか?簡単に言えば列車の走行中に起こる不規則な揺れが自然に睡眠を誘発させているのである。逆に言えば列車が停車中で揺れが少ないとあまり眠くならない。つまりは乗車中、眠りやすくなるためには連続的に揺れが発生していなければならない。となると駅間の距離が長い路線や、停車駅の少ない快速・急行列車に乗れば眠りに落ちやすいという訳だ。



4.快適に『寝鉄』をするには

 では筆者が実際に寝鉄をする際の手順を紹介しよう、先ずは座席の確保である。座れなければ寝鉄は始まらない。ロングシート車なら狙うのは仕切り板や肘掛に寄り掛かることのできる端の座席。車端部の座席も壁があるので眠りやすい。クロスシート(ボックスシート)車なら窓側の座席。これも壁に寄り掛かることができるからだ。それらの席が取れたならしめたもの、車内が五月蝿いのなら音楽を聴きながら眠りにつく。静かなら列車の走行音を聞きながら寝るのもオツなものである。あとは目が覚めるまで寝鉄を楽しむ。だが決して乗り過ごすことのない様に。



5.終わりに

 寝鉄は列車に乗れば誰でも簡単にできるものである。しかし単純なようで意外と奥が深い。皆さんも寝鉄を体験してみてはいかがだろうか。





京急2100形車内。寝テツには天国のような車両である。




 
- 26 -
次のページへ→